(旧暦 睦月十三日)

 多極管を取っ替え引っ替えできる Model7 では“球転がし”を楽しんでますが。
 Model8-300B となりますと 300B 以外の球は使えない。しかも、ソフトンさんの注意書きによりますと、300B でもすべての物が使えるわけではないそうな(球のメーカーが規格を独自に解釈・変更することがあるらしい)。
 そもそもの話、300B そのものが現在生産販売されている中でも高価な球なので、そうそう買えるわけがない(同一ブランドで、EL34 を四本買うよりも 300B 二本のほうが、ずっと高かったりする)。

 Model8-300B 付属の球に何ら不満は無いのです。
 無いのですが。
 300B 以上に“電球”な 205D とで迷っていた自分としては、レトロな見栄えに強く惹かれるわけでして。
 そうなりますと、300B の中にレトロ色の濃いのが無いものかと探すわけです。はい、阿呆である(@某満月な人)。

 ありました。

 

 雰囲気良いでしょー?
 300B でありながら一般的なST管ではなくバルーン型(茄子管)なのが見た目に良いですね。
 しかも、ご覧のとおりプレートが赤く光ってる。これは一般的な 300B と違い、この球がメッシュ・プレート(編んでおらず細かな穴開きなので厳密にはメッシュもどき)だからです。

 

 ご覧のとおり、赤熱するフィラメントが透けて見えるのですよ。これが普通のプレートだと何も見えなくて、つまらん(笑)。
 メッシュもどきプレートの茄子管、楽しいっス♪
 レトロな 205D を断念した影響で、こいつが欲しくなってしまったのですよね(阿呆)。音質の違いとかどうでもいいどーせ判らんし(ホンマ阿呆)。本体分に球の追加購入分を足すと、Model8-205D だけを買うよりも高くついた(阿呆すぎる)。

 実は。
 前段の電圧双三極管も付属の品から、東欧のNOS品に替えてあります。
 多くのアンプでLRそれぞれで一本ずつ合計二本使うところを、Model8 は一本しか使っていないので、東独製とかユーゴスラビア製とかハンガリー製とか買い集めるのが楽でした(阿呆阿呆阿呆)。
 出力管がお高いので、こちらで球転がしします。もちろん音質の違いなど駄耳のオイラにゃ判りません(ド阿呆)。
 何事も雰囲気から入るものなのですよ趣味ってのはサ。

 あ、さて。
 直熱三極管のシングル回路に雰囲気最高の茄子管を挿して、フルレンジを鳴らすなら。
 ヴォーカルと楽器ともに楽しめる上々颱風の音作りとか適任なのではないか。
 などと勝手に思い立ち、慣らし目的でアルバムを聴く。

 

 うん電球だな。あるいは超小型の電気ストーブ?(笑)

 やっぱり小編成に強いですね、Model8 とフルレンジ一発バックロードホーンとの組み合わせ。上々颱風の持つ空気感と、よく合ってる気がします。
 クラシックのフルオーケストラも試したのですが迫力面で、どうしても弱くなります。何と言えばいいんだろうな。高性能スポーツ軽と、並みの3リットル車と、それぞれで高速道を百キロで走る違い、みたいな?

 茄子管300B もさ。
 工場を旅立ったときには、まさか上々颱風を鳴らすことになるとは思ってもみなかっただろうな。