『ラーメン大好き小泉さん 12』
鳴見なる/少年チャンピオンコミックス
何と一年半ぶりの最新刊。
いや、重要なのは、そこじゃない!
少年チャンピオンだと!? 秋田書店だと!?
まあ、それは後に触れるとしまして。
美沙の空回りは通常運転。
寝つけなくて羊ならぬ「ラーメンが1杯、2杯、3杯……」と自ら墓穴を掘る小泉さんも通常営業。
のびたラーメンを創作料理に大変身させる悠も恐れ入る。
欲を言えば、委員長の出番が少ないことと、悠のサイコパスが見られなかったことが不満ではありますが。
それでも相も変わらずの小泉さん節全開で楽しいです。お腹が空いてきます。
読んでるだけで顔汗な激辛店とか、四席しかない激狭店とか、かき氷のメニューが多彩な店(ラーメン屋だよね?)とか。ラーメンってのは無限増殖するんですかね。ありとあらゆる形態があって、ついてけません。作者さん、よーやる。
「もっこす」って方言だったんですね。てっきり邪神の名前だとばかり……。
これも通常運行の美沙ママはともかく。悠ママに、びっくりした。
「八十九杯目」の「ラーメンキャンセルで!」の客を「後日」でフォロー(?)してますけど。そもそも着丼(この単語って大嫌いなんだが、他に適切で短い言葉が見つからない)した……いえ店側が作り始めた時点でキャンセルは成立しません。急用で食べる時間が無くなっても支払いすべきです。それを一方的にキャンセル宣言して立ち去るような人物だから、取引先にも部下にも家族にも見限られるんですよ。そこを判ってないからダメなんです、あの男は。て言うか、臆面も無く店に再来して愚痴ってんじゃねーよっ。愚痴りたいなら呑み屋行け呑み屋。
さて。
連載をチェックせず単行本のみの追跡なので、移籍しておられたことを存じあげませんでした。
いったい何があったんだ?
という下世話な好奇心が湧くのは仕方ないことなのです(汗々)。
何せ、既刊分もチャンピオンコミックスから加筆修正+あとがき新規書き下ろしの新装版として出ており、バンブーコミックス版のほうは紙も電子も絶版ですからね。第11巻なんて、たった一年チョイの寿命だったわけで。
しかも、秋田書店からの最新刊第12巻の内容が、ほぼほぼ竹書房連載分(しかも、この巻の最後の「八十九杯目」が竹書房での最終話だそうな)だということもあって。
これはただ事ではない。どう見ても移籍というより絶縁ではないですか。
と思わざるを得ない気持ちがふつふつと湧いてくるのを禁じざるを得ないわけで。
ここ二、三年の刊行スパンが確実に長くなってきていたのを、作者さんが仕事量を調整しておられたのかな、お医者から取材(ラーメン食べる量)にダメ出しされたのかな、などと思っていたのですが。
あとがきの「まだまだ単行本未収録の原稿が溜まっております。」という作者さんのお言葉からすると、前の編集部で原稿を山ほど放置された?
いや、想像でしかないので、これ以上は、やめときましょう。
個人的にはなあ。
読者として、昔っからチャンピオンの編集部には不信感しか無いんだよなあ。
だから、ぶっちゃけ心配です。(;^_^A