(旧暦 閏如月十九日)

 鞍馬氏、やはり心を病んでます。
 娘が生き返っても、その娘が死んだことを自分が憶えているだけで耐えられないとか。
 だから、すべてリセットして、理想の娘を新たに作り出すとか。
 その娘を未来人とくっつけて、鞍馬財閥を発展させようとか。
 徹底管理のママのほうが、ずっとマシだよ。ママは誘拐事件のせいで超絶用心深くなってるだけだからね。

 キューンは、ようやっと自分自身の言葉を祢音にかけた。
 で、祢音復活。キューンとのタッグで危機を切り抜けた。
 アンチのオーディエンスども、ザマァ。

 今がどん底なら、後は幸せになるだけ。
 ま、株式の底値と同じですな。倒産(諦め)さえしなければ、後は値上がりする一方♪

 ギーツが露払いに徹したのも、いいですね。
 今回の主役は祢音(とキューン)ですから。

  ヴィジョンドライバーには、
  運営に関わるあらゆる記憶が
  保存されている。

 ロリ婆ァのあまりのゲスさにゲームを降りて、ジャマト陣に見切りを付けたかに見えた道長ですが。
「ギーツの弱点」という餌に入れ喰いでしたとさ。
 ダメだこりゃ。





 ところで。
 かなり気が早いけど。
 英寿と祢音の落とし処について手前勝手に考えてみました。

 そもそも、未来人たちに過干渉されたのが『ギーツ』の物語なので、最終的には連中が手を引いて、事件の起こらなかった世界に巻き戻されるという結末が妥当でしょう。
 犠牲者も消失エリアも復活、と言うかそもそも犠牲など一切発生していない形に、という点では、景和の願いが叶うとも言えますし。

 この手の結びは、いくらでも実例があります。
 平成令和ライダーで言うなら、もはや世界がメチャクチャになりすぎて修復不能となった『ビルド』と『ジオウ』ですね。この二作品は、ともに手遅れの世界を捨てて、平和な状態の世界を新たに構築することで強引に解決しました。
 本質が少し違いますが、『龍騎』も状況的には近い。何度も何度もライダー同士の闘いを繰り返した挙げ句、事件の元凶が己のまちがいに気づき手を引く。それを受けて、それまで 2002年で止まって繰り返していた世界が 2003年に入った。 2002年にミラーワールドに関する事件は何も起こらなかった、ということで物語は幕を下ろす。

 こういった実例に倣うなら、DGPなど無かったことにするのが一番無難な解決方法でしょう。
 つか、『ギーツ』の世界ではデザ神が決まるたびに世界が再構築されてるんですから、今さらです(笑)。
 結末で、道長の望みどおりライダーが一人もいない世界にリセットすればいい。やさぐれ道長も、これなら納得するでしょう。

 問題は、DGPが無かったら存在すらしなかった祢音の処遇ですが。
 残酷に祢音を世界から消す結末もあるっちゃある。
龍騎』のヒロイン・神崎優衣が、まさにそうでした。2003年に入った最終話では、神崎優衣は幼い頃に亡くなった故人です。そもそも『龍騎』の事件が、妹の死を受け入れられない兄・神崎士郎が起こしたものでしたからね。事件が無かった世界では、成長した優衣の存在はありえない。

 ただ、これでは納得いかない視聴者がいても当然。

 なので救済案としては、『ビルド』を参考にする方法がある。
『ビルド』の主人公・桐生戦兎は、黒幕の暗躍が結果的に作り出した人格と言え、黒幕の干渉が無ければ存在しなかった人物です。ために、新たな世界に戦兎の居場所は無かった。それでも戦兎が消えなかったのは、元々の世界でも“異物”だったためリセットに巻き込まれなかったから。
 同じことが相棒の万丈龍我にも言えます。彼も黒幕の干渉で半分人間でなくなっているため、世界の再構築過程では“異物”扱い。よって消されることなく、新世界にポツンと存在を許された。
 新世界の誰も戦兎と龍我を知らない。でもコンビだから孤独ではなく、救われたわけです。

 これに倣うなら。
 もしも『ギーツ』の結びで世界のリセットがなされるなら、それは鞍馬家のご令嬢が「あかり」である世界です。祢音の居場所は鞍馬家にも、どこにもありません。
 であれば、祢音を生かすなら誰か相棒が必要でしょうね。英寿にその役目を務めてもらう手もありますが……英寿には別の立ち位置でいてほしい。
 キューンが最適任者ではあるのですが、彼は未来人。
 そうですね。祢音がキューンと一緒に未来へ旅立つのは、ありかもしれん。
 うん。これがいい。

 英寿は順当に、前世の記憶すべてを忘れ、二千年分の経験値もゼロになって一般人に。
 かな。
 でもってエピローグ。道に落ちていたカエサル金貨を拾い上げて少し見つめた後に、カメラ目線でニッと笑って視聴者を困惑させたまま、年末の映画に繋いだらええ。

 以上、妄想でございました。