小正月、八せん始め (旧暦 師走十日)

 だいぶ溜まってました。
 感想も、どこまで書いたか忘れました。
 なので、簡単に一気に。



1:のびあがり、吸血木
 妖怪ポストのシステムが動物たちによるリレーという新しい解釈は好き。
 ねこ娘がスマホ使いというのは、演出面で時代を反映しているのと、妖怪も時代にちゃんと合わせて生きているという意味でも面白い。
 と同時に、ゴミ YouTuber の害毒や、逃げずに撮影してて自らも被害に遭うバカどもにも触れていて意欲的。
 指鉄砲も現代的で格好良い(ん? 既視感? にゃんの事かにゃ?)。
 前にも書いたけど、水木という青年が赤子の鬼太郎を助けたっちゅーのは美談じゃないからな。むしろ不条理な悲劇だからな。水木は原作者とは別人だからな。
 ラストに矢を放った黒いのは何者か……。

2:見上げ入道
 前回ラストの矢は鏃にペンタグラムが刻まれてる。
 ここで目玉の親父さんが言ったとおり。ペンタグラムは正位置だと護符として使えるが逆位置だと邪悪な力を発揮する、という魔術の基本情報。「五行」として日本的解釈にしたのは安倍晴明あたりに絡めてだろうね(晴明神社の瓦がアレなのは有名)。
 一反木綿は色ボケふんどし、っと。(メモメモ♪
「見上げ入道、見越したり」が効くのは、妖怪が本質を見抜かれると人を騙せない脅かせない、という構図からのもの。言ってしまえば、タネのバレた手品師に集客力などない、みたいなこと。西洋では悪魔が、狙う人間に本名を知られると力を失う、とかあったよね。
 第1話でクールだった鬼太郎、実は人間をちゃんと評価してた。

3:たんたん坊、二口女、かまいたち
 東京五輪なんて「あんなのテレビで観てるだけでいいのに」に大賛成。
 妖怪さんとケータイで連絡先交換って……時代やな♪
 昔の妖怪城が粉々になってコンクリートになって各所に散らばって厄介な事に、という展開は見事。

4:山爺
 無断で他所の物を持ち帰っては、いけません。ということ。
 にしても、トトロへの道があるとは(笑)。

5:雷
 いちいち社名に「ビビビ」って付けるあたり、毎度毎度隠す気ないだろ、ねずみ男(爆)。
 雷様に申し上げておくと、女子アナなんてそんなご立派なもんじゃないですぜ、たぶん。
 雷の電気を吸い取ったうえでの体内電気って、ほとんどバビル二世だわ。

6:すねこすり
 鬼太郎の主張が悲しくも証明された回。
 そう。人と妖怪は「交わっちゃいけないもの」、「少し遠ざかって恐れるくらいで、ちょうどいい」ということ。
 涙なしには観られない。

7:幽霊電車
 サブタイの時点で名作確定。
 いじょ。

8:鏡爺、がしゃどくろ
 内気でコミ障で、しかも女好きの爺さんは面倒くさい(笑)。

9:河童、いそがし
 鬼太郎本人のギャグは今期初かな。
 尻子玉に、そーゆー使いかたがあったとは知らんかった(伝承的には尻子玉を抜かれたら人も動物も死ぬから、念のため)。
 キュウリが河童の嗜好品というのは詳しく言うと、かつて人を喰らっていた河童が神佛(あるいは能力のある人間)に罰せられ、人の代わりに似た味のするキュウリを嗜むようになったんだそうな。あれだよ、お釈迦様に叱られて以降の鬼子母神がザクロを食するとか、ドラキュラおじさんがトマトジュース飲むのと同じ。聖天さんが二叉大根を好むのも似たような理由だそうな。
 メザシ炙って喰ってるアパート住まいの、いそがしさんは人間界に未練があるんだろうなぁ。ねこ姉さんも普通に八百屋でお買い物とか、みんな馴染んでるなあ人間界に。
 あの社長は典型的な独善的父親。家族に相談しないまま進める時点でダメダメ。

10:学校の七不思議
 ねずみ男およびヨースケくんのストーカー度がハンパない件について……。
 温泉に入る花子さんは、しずかちゃん同様、某国では規制の対象か?(笑)
 ねこ姉さん、生きた魚に食欲沸くのは、さすが。( ̄ω ̄)
 つか、ニノさんとか。妖怪たちみんなSNS必須なんスかー?
「違います。ただの知り合いです」は最高♪ うん、はっきり言ってやったほうが、ええんやで。
 結論。まなはタラシ(爆)。

11、12:八百八狸、妖怪獣
 きちんと日本政府に降伏勧告。これが妖怪モノか?
 対する官邸は責任取りたくない連中だらけ……現実と変わらんな。
 前回あんなに惚れてたのに、まなを売るとは、ねずみ男はガチでクズだな。諸星あたるの声で言うから余計に腹が立つ。俺はメガネや面堂に付くぞ(怒)。
 ちなみに、四国……と言うか阿波國では妖怪現象すべてに「狸」の名が付く。塗り壁は衝立狸、髪切りは坊主狸、縊鬼は首吊り狸……などなど。それくらい狸のテリトリーだったということ。水木しげるさんの「四国全土が狸の領土」という説は、さすがに言い過ぎだけどね。
 なお、オイラは狸でも狐でもなく天狗さん派♪
 まなの手のひらに刻まれた「木」が何なのか気になる。たぶん五行の木だろうけど。うーむ。

13:輪入道
 勘違いしないように。輪入道とダイヤモンドの関係は、水木しげるさんの創作だから。
 ちなみに学説的には、片輪車との類似性・同一性が議論の対象となる(て言うか、ぶっちゃけ元々は同じ妖怪だろ)。

14:まくら返し
 アパート住まいのいそがしさんに対して、こっちは山奥の小屋住まい。でも人間界から断絶まではしてないのねん。人の夢に棲むから当然かな。
 つかさ。まなの挑発に乗せられてる時点でチョロすぎるやろ(笑)。
 で、早々に夢に捕らわれて使い物にならない女ども(爆)。
 過去作品で包帯まみれの姿しかなかったから、今期の独自解釈でイケメンというのもアリではないかと、親父さん。いや、あの強さは、ほぼ孫くんか♪
 最後が怖かった。

15:ずんべら
 きららはなあ、無理にロリ服にしなけりゃいいんだよ。何事にもバランスってもんがあらァな。まあ親もあかんわ。ド直球のキラキラネームだからなぁ。
 ユウスケは良い奴なのに……そっち選んだか。それもまた人間の業。
 人の心に付け込むあたり、ずんべらは妖怪の王道を行ってるね。

16:海座頭
 堂々たる境港推し♪
 祭の実行委員内で世代間抗争……リアルやな。
 妖怪にビーン・ボールが効くとは思わんかった(爆)。

17:烏天狗、蟹坊主
 引き続きの境港推し♪♪
 まなは、やっぱりタラシ。
 というわけで、水木しげるロードの由来でございました。とさ。
 ねずみ男は、あのままで良くね?

18:かわうそ
 スイカが木に生るとは知らんかった……まあ直に畑を見てないと、そんなものか。でもサー、あれが木に生ってたら事故多発だと思うぞ。
 ねこ姉さんが今までで一番怖い。

19:再生妖怪s
 黒いのが来た。で、「木」が光った。
 うーん。「木」は刑部狸が付けた呪いの印だと思ってたんだけど、ひょっとして、まな自身が五行の木を持っている? ゲーム的に言うなら木属性とか?
 四丁目に行くための呪文の意味が判らんぞ悔しいぞ。
 理科を楽しくとか、算数を実験でとか(ええと、五リットルの壺を満タンにして、それを三リットルの壺に……だっけ?)、モンスター親に説教とか、おばけの学校が理想的すぎることにびっくり。完璧な変装の鬼太郎に説く、たんたん坊も素晴らしい。でも、やっぱり裏があったとさ。
 あの兄弟、狸のときに続いて懲りないねぇ。ねずみ男の弟子になってもいいレベル(笑)。
 博識の親父さん、気づかなかったのかな。見上げたちの顔に例のペンタグラムがあったことに。
 で、敵の名は「名無し」……名も無きってことは底辺の民とかって意味かもしれんね。冒頭、まなが見た光景も、そんな感じだったし。

20:妖花、トゥブアン
 まなママの、偏屈大叔母さん扱いが上手すぎる。ありゃ慣れてるな。
 ヨネザアド・アタゴオルにもありそうなデザインの蛤船、いいなあ♪
 まなが誤解していた「日本が一方的に攻められて負けた」というのは。一つには受験に関係ない近代史を学校でまともに教えない弊害。一つは右派の発言力が強くなっていて「あの戦争は正しかった」なる声が幅をきかせてしまっている現状。戦中世代の手塚治虫先生が『BJ』作品内にて明確に「あった」とした強制連行を戦後生まれの連中が「なかった」と否定したりする現状だからね。平和を願う水木しげるさんの戦争体験手記とか、煙たがってるんじゃないのかな連中。
 この意味で、親父さんにはっきり「日本も他国に攻め入った」と言わせた今回のエピソードは制作の勇気ある行動だと思う。ねずみ男も今回だけは真面目。
機動戦士ガンダム』のア・バオア・クー海戦にて、ジオン側のゲルググが学徒動員パイロットというのを記憶している人もおられるだろう。あれは絵空事なんかじゃないんだよ。戦時中の日本軍は、そうだったんだよ。若者使い捨てだったんだよ。
 自由研究に困ってる、まなの姿が、ちゃんと結びへの布石だった。
 忘れてはいけないことだと思います(東映に変なクレーム来てなきゃいいけど……)。

21:たくろう火、雨降り小僧
 たくろう火の声が可愛い件について♪
 ねずみ男の主張は正論ではあるものの、それは経営者の意見であり人間社会でのもので、おばけには関係ないんだよなぁ。

22:牛鬼
 幽霊電車とともに、鉄板レギュラーの牛鬼。
 何度も言うが、実態を持たぬ寄生型で本体が決して死なない牛鬼は、あくまでも水木しげるさんの創作なので、そこんトコよろしく。
 身の安全よりスマホ撮影を優先する阿呆どもって第1話もだったなー人間って愚かだなー。て言うか、渋谷で人が大樹になったり、狸に政権奪われたり、妖怪獣が大暴れしたり、河童の軍勢に街を蹂躙までされた日本で、なんで「牛鬼なんて、いるわけない」と暢気に構えられるのか不思議でならない。日本人って事件のたびに記憶操作されてる? 『M.I.B.』のアレみたく(苦笑)。
 迦楼羅様にロデム、島の博識爺さんにデビルマンという地味に贅沢な回。

23:ろくろ首、あかなめ、唐傘
 新築なのに「じめっとして」て風呂場に「最高の垢」があるのはダメだろ(笑)。神棚の位置は直せばいいとしても、方角も悪いし、元々墓地だし。
 ねずみ男はともかく、ねこ姉さんまでバブリーで笑う 1980年代後半。地上げ屋、あったなぁ。スイーパー冴羽もけっこう退治してた地上げ屋。宇宙の地上げ屋フリーザ軍は少し後だったっけ?
 約三十年ぶりに、まったく姿の変わっていない鬼太郎を目の当たりにした組長は心臓止まりそうだったろーなー♪ 人の目から姿を消せることとも相まって、鬼太郎が妖怪だということを思い出させてくれる。
 でもって、新解釈の妖怪アパート誕生譚ということね。

24:石妖
 その昔、ねずみ男をたぶらかしたのは、たしか死人憑きだったと思う。遺体に取り憑いて生者のふりをする怪異。
 それに対して今期、結婚詐欺で荒稼ぎする妖怪ってのも斬新だわ。秋村P再登場に藁!
 出会いの場が質屋の前というのも、ちゃんと意味があったことに驚き。今期の脚本は丁寧だなぁ。

25:くびれ鬼
 心霊現象は電気現象という説があってだな。つまるところ、電脳世界は怪異にとって無限の可能性がある理想郷かもしれん、と。
 スマホ持ってないオイラは無事……かな? まあ、PCでもネットに触れてるわけだし、ネット社会は悪意の混沌でもあるから、無害で済むとはいかないか。
 鬼太郎と、ねこ娘のアクションが凄いな。しかも二人のコンビネーションが素晴らしい。
 黒いのによって、まなに今度は「火」が刻まれた? これって一年かけて五つを刻む予定? と言っても、もう2クール終わるしなぁ。

26:画皮
 人造人間16号のイケメン声で「ガヒッ、ガヒッ」ってのは笑うところ?
“十七歳です”の母親も怖いわー。
 母親からの自立は良い事だが、とりあえず段取り無視して一方的に唇奪いにくる野郎だけは、やめとけ。
 キスと言えば、砂かけお婆の「チュー」は罰なんだそうな(爆)。
 アル中の子啼き爺は猛省な。