十方暮入 (旧暦 皐月十四日)

 あのバカ兄弟、あいかわらず学習能力ゼロですね。
 ホントに、ねずみ男に弟子入りしろや。

 美墨さんチのお父さんも、やってましたけど。
 現実には、他所様のお子さんまで個人的なキャンプに連れて行くのはリスク高すぎますし、そもそも向こうの親御さんが許可しないでしょうね、今の時代は。

 釣りの立ち位置、互いに近すぎるぞおまえら。それじゃお祭りするぞ。
 て言うか、立って釣るとかバカか。魚は水面通して外界を見るから、立ってたら警戒される。
 え? リールだから立っててもいい? いやいや、連中がそんな遠投できるんかい?
 んー、安物の竿に普通の仕掛けで充分だと思うよ。みんな素人だろうから。夕飯で肉しか喰ってなかったしー(笑)。

 裕太くんの成長物語ではあるのですが。
 小学生男子が中学生女子に守られても何ら恥ずかしくないわけで(特に、まなは体力派だしサー♪)。裕太くんが焦ることなんて、ないんですよね。そもそも、一般的に生身の人間が妖怪を怖れないのは無謀・蛮勇でしかありません。能力的に劣る人間は妖怪に一定の警戒心を持つのが自然であり、怖がることは断じて恥ではない。水木しげるさんみたいな人たちは妖怪をきちんと理解して、そのうえで親しみを抱いているわけだからね。

 ぶるぶるを体内に取り込んで温泉に、って解決方法が何か安直。
 と言うか、『AGE』の宇宙空間での生身で乗り換えみたく、脚本家がドヤ顔で書いた気がして、どうにも胡散臭い。

 ねずみ男の介入も雑すぎます。
 いくら、ねずみ男でも、あそこまでバカじゃない。

 夜のキャンプ場で一人、また一人と消えていく……これは見事にホラーなシチュエーションなんですが。
 全員が露天掘りの縦穴に放り込まれてたってのが、いくら何でもね。まだシンプルに氷付けのほうがマシだと思う。

 しかし待て。
 火が苦手なんだよな、あいつ。
 なら、最初に巻物が燃やされたときに悲鳴上げんかったんは何なんや? 解放されて嬉しいにしても、苦痛の表現は欲しかった。

 そもそも、なんで巻物が薪の山に……え? まさか駄洒落じゃないよね?
 ここも、いい加減なんだよなぁ。これが古本や古新聞の山なら判らなくもないんですけどね。

 ちゃんちゃんこで捕獲したぶるぶるをどう処理したのかも描いてほしかった。
 簡単に御札の1カットでもいいんだよ。

 残念ながら、今回の脚本は六期としては激甘でした。
 演出は頑張ってたんですけどね。