(旧暦 睦月廿七日)

 『少女終末旅行』
 『少女終末旅行』全六巻
  つくみず/バンチコミックス


 アニメが終わったチョイあとに原作も完結したなんて知りませんでした。
 で、最終巻が発売になったと聞き、慌てて全巻を購入です。
 いや〜、もっと長く続くものと思い警戒してたんですよね〜。二桁巻数になると買いそろえるのが、しんどいから。(;^_^A


 以下、感想を畳んでおきます。









 多くの読者・視聴者が想像していたとおりの最上層。
 あぅ。

 一般的に、世界大戦後の地球は荒廃と無秩序で覆い尽くされた殺伐たる弱肉強食の地獄として描かれるのが多数派。『MAD MAX II』とか『北斗の拳』とか。そうでなければ『リュウの道』みたいなバケモノの世界ね。
 対して、この世界は静寂に支配されている。誰もいないんだもん、そりゃそうよね♪
 終末の物語なのに何かクセになるのは、悪党がいないせいだろ(バケモノっぽいのは、いたけどな)。
 衰退して滅び行く人類社会を描いてるのだから、残酷な世界観であることに変わりはないけどね。

 二人が旅立つ前に暮らしていた、あの下層の街が一番、活気があったという皮肉な事実。
 上に行けば行くほど淋しくなるって、どんだけだよ。……まあ、元いた街も今は滅んでるだろうけどね、愚かな殺し合いの果てに。

 さて、最上層。
 食べて寝たあと、二人はどうしたのか?
 最後のカットで、ヘルメットとあれこれは残っていたが、二人の姿はなかった。そして黒い石(?)に記された図面っぽいもの。

 最後をぼかすことで、読者それぞれの想像力に任せる。
 ズルい手法でもあるし、親切な演出でもある。

 塔に入り口を開けるべく爆薬使い切ろうとしたとき。「1個は残しとこう」と、ちーちゃん。ここでは気づかなかった。と言うか、ちーちゃんもそのときは、そんな気なんてなかったんだろうし。
 でも、ユーが三八式レプリカを捨てようとしたとき。「弾だけいくつか残しといて」と、ちーちゃんが言う。何に使うんだよ? と読者は気が気でない。
 そして最上層で、やっぱり、そうきたか。orz

 第6巻カバー絵は、最終話の雪合戦直後のシーンと思われ。

 第4巻のラスト(アニメでは最終話)にてエリンギの言うことにゃ。
 ちーちゃんとユー以外の生存者はいない。
 ただし、これはユーの「この都市にもう人はいないの?」という質問への答え。
 そう。「この都市」限定の話。つまり、他の都市は判らない。
 て言うか、二人はカナザワとイシイに会ってるだろ。
 イシイと別れたあと、二人はバカデカい列車に乗って、かなりの距離を移動した。それってつまり、別の都市に移ってるかもしれないってことだよね。ひょっとすると、イシイの目指してた対岸すら越えてるかもしれん。
 要するに、二人の辿り着いた最上層は、おじいさんの言っていた「上」とは違うし、カナザワやイシイのいた場所の上でもない。
 エリンギも他の都市のことにまで言及はしていない。

 だからさ。ほら。二人の旅は終わってないんだよ。
 人工知能の人のおかげで最上層に到着できた二人だけど、それは一気に上がったわけで。途中を思いっきし飛び越してる。
 そう。下りることは元来た道を戻るのと同義ではない。とりあえず少し下に、そこから横に行けばいい。
 あるいは、どこかで車が見つかるかもしれない。そこにも列車が走っているかもしれない。食糧だってきっと見つかるし、また誰かに出会えるかも。
 絶望と仲よしになるには早いと思う。

 カナザワは相変わらず地図を作ってるはずで。
 イシイだって今頃、新しいことに熱中してるさ。

 ちなみに、アニメを観てた段階では月や火星に希望を抱いてたんだが。
 原作では、ロケットらしい代物の施設内に「火星基地通信途絶」って文があって、これはもう絶望的かもしれん……。

 で、あらためて、単行本最後のカット。
 黒い石(?)に円形あるいは螺旋形の図が描かれてて、二人の姿はない。ロングに引いた絵では、そこから離れていった足跡もなし(寝る前につけた足跡は残ってる)。なので、端っこから飛び降りた説も螺旋階段を下りた説も不成立。
 二人がエリンギみたく空に浮かんでいったのでもなく、溶けて消えたのでもないなら。
 この石の中に入っていたのかもしれない。覆っていた雪が滑り落ちて図が現れたって感じだからね。それを見て、ちーちゃんが「ここから入れる」と隠し扉に気づいた。
 とかサー。
 やっぱり、二人はまだ旅を続けてるんだよ。

「クエナイモノニカチハネェ」
 ヌコのこれは至言だな。うん。



 ケッテンクラートで近所のコンビニへ買い物に行きたいな。
 ナンバー取るとしたら、何になるんだろ? イセッタや KR200 みたいな立ち位置? それとも三輪バイクみたいなもの?
 もしも意外と容易に登録できるなら、どこかが作ってくれないかなレプリカ車を(250cc までなら法的手続きが簡単かも)。きっと好事家たちが買うであろうことかな。そしたら、ビンボな私にも乗れる機会が来るかも。
 さすがに町なかで転がしたら迷惑だろうけど、ペンギン村級の田舎道なら問題なかろ。耕耘機やトラクターもノロノロやってるし♪

 それとそれと。
 あのラジオやカメラ、どこかが製品化してくれないかな。
 もちろん、あんな超高性能である必要はないから、いちおう鳴るやつと写せるやつ。