(旧暦 睦月廿八日)

 あー、性格破綻した鹿目まどかに拷問されて死んだタレント持ちの男装か。
 なら、もちっと判りやすくしてほしかったですね。アインズ様は「似ている」って言ってますが、視聴者にはそこまで判んねー。つか似てねーだろ。


 んーでもって、セバス詰問シーン。
 気づかなかった!
 いや違和感はあったんだよ。アインズ様が噛む……つか言い間違いするとか、テレポーテーションがやたらとハイだとか。
 でも、その理由が判らなかった! 口惜しい。

 ええと、整理します。

 あの場面で想定し得る最悪のシナリオは。
 セバスが自らの意志でアインズ様を裏切っており(状態異常による造反ならNPCリストで確認できる)、なおかつ背後にワールド・アイテムが存在するケース。
 なんですよね。
 ヴィクティムが同席していたのは、リザードマンの村に挨拶に行ったとき同様、その最悪を警戒してのこと。セバスの奇襲への備えではなく(セバス一人に対しては戦闘できる階層守護者がデミさん、コキュートス、そしてあいつの合計三名もいるのだから充分)、あくまでもワールド・アイテム対策。デミさんがヴィクティムを抱っこしていたのは、その微笑ましい図柄に反し、喉元か腹に爪でもあてがっていたと思われ。一瞬で切り裂けるようにね……。

 デミさんの脚本、監修にアインズ様、そして主演は声なしの宮野(笑)。といったところでしょう。
 いや、芸が細かいですね。設定魔だというタブラさんって、実は原作者さんのことなんじゃないの?


 一方。
 堅太り王子は、実はかなりまともな人物だと思えてきました。野心は持ってるし善人というわけでもないが、普通に話の通ずる常識人。言葉や仕草の一つひとつが理にかなっていることに脱帽ですわー。
 姫は……もうアルベドさんと友だちになったら良いと思うよ。きっと話が合うことでしょう。
 登場当初は清楚で可憐な姫と嫌みで小者臭漂う兄、と見せておいてのこの逆転。上手いなあ。


 せっかく無罪放免なのに、ツアレ一人で留守番させるとか、セバスさん脇が甘すぎる。
 これで地雷を踏んだ八本指と六腕は、おしまいでしょう。姫側も動くようですし。
 デミさんは、どこに行ったのかな、かな(雑食性の羊ねぇ…………)。



 アベリオンシープと言い、噛み噛みでハイなアインズ様と言い、あるいはツアレを治療する際の「食べてしまう」というソリュシャンの台詞と言い、考えるための手がかりを充分に散りばめつつも、肝心な部分を明確に見せない手腕は巧みですね。さじ加減が難しいであろうことは容易に想像できます。
 こういった、視聴者(読者)の理解力に委ねる、いわゆる行間を読ませる演出は大好きです。