朔 (旧暦 卯月朔日)

 また判らなくなってきた…………。

 えと。
 不可思議現象っぽい部分だけピックアップすると。

 森に響く怪しい声
 十年前に死んだ娘
 地図とGPSを使っても元の場所
 でっかい光宗
 これから死ぬ人が判る
 森よりでっかい丸いの

 で、これらを合理的説明に変換すると、

 拡声器
 そっくりな子役
 偽のスプレー文字「8」
 投影機
 嘘または厨二病的妄想
 特製バルーン

 あたりが妥当なところかな。

 ところがぎっちょん、ここで問題発覚。
 どうやら怪しい声は聞いた者それぞれで動物だったり機械音だったり笑い声だったりと違うものらしい。
 となると、「でっかい光宗」もあのツンデレにだけ見えたもので、他の連中には違うものが見えた可能性もでてくる。なら、最後のでっかい奴も光宗にだけ見えているかもしれない。

 このパターンで真っ先に思い出すのは『宇宙戦艦ヤマトIII』。
 ヤマトが地球人の移民先候補として見つけた惑星が、古代たちには地球そっくりに見えて、ガルマン・ガミラスの人たちにはガルマン星そっくりに見えていた。実は惑星は巨大な生命体で、侵入者の見たいものを幻影として見せて自分の正体を隠す、ある種の擬態習性を持っていたというオチ。
 これ、おそらくですが、SF古典(と言っていいと思う)『Solaris』(邦題『ソラリスの陽のもとに』)が元ネタだと思います。
 つまり、納鳴村に棲む何者かが、そんな力を持っているという可能性。あるいは村そのものが実はバケモンとかね(妖怪としての「迷い家」は、まさにそう)。
 作り手側にとっては、あまりに便利すぎますけどねー。だから、今の時代にやったら駄作確定だと思う。

 一方。
 不可思議現象に頼らないなら、幻覚剤もしくは催眠術といったあたりが無難でしょうか。
 とは言え、そんな都合の良い薬や技術こそ、某「雛見沢症候群」並みに視聴者をナメきったご都合主義の塊です。これやったら、やっぱり駄作確定ですよ。創作をナメるな!
 薬なり術なりが実際に存在するものなら、話は別ですけどね。そんなん、あるんかな?

 あとは、そうだな。
 実はバスに乗った時点で全員が集団催眠術にかかっていた、とか?
 実はバスに乗った全員が、すでに事故で……つまり納鳴村は黄泉比良坂、とか?
 うーん、イマイチですな(汗)。

 光宗は、とにかくウザすぎるし。
 処刑女を拘束しないでおくなんて、皆も頭いかれてるし。
 愛想笑いばかりの主催者も実はゲスだと判明したし。
 ゲロ娘は、やはり最初っから何かを知ってるね。
 第一印象最悪だったロン毛男が一番の常識人というあたりは、定石とは言え、してやられました。