立夏、三隣亡 (旧暦 弥生廿九日)

 何だい、あのおっさん。
 考えあってのことだと思ってたら、ただ指揮権が欲しかっただけの大バカだったとは……。
 つか、あれだけ偉そうに当主様に言ったんだから、自分の指示で多数の犠牲者を出した責任、ちゃんと取れよな! 親鍵を返すだけですむと思うな!!

 無名によると、胎児も汚染されているそうで……南無。

 わりとあっさりイケメンがデレたのは、ちょいと残念です。もう少しゴネていてほしかった。
 にしても当主様、血の与えかたが大袈裟すぎます。あれでは、ただのリストカットですよ。少し嘗め取るだけで有効なんだから、血判状を押す程度の切り傷で良いと思われ。でないと、毎度毎度あれでは身が持ちませんぞ。

 今回、トンネルで列車を襲ったカバネを見るにつけ、誰かが群れを指揮している感触を持ちました。
 一匹のタゲを取ると周辺のタゲもこっちに来る、つまりある程度の連携は前々から見えていましたが。今回は待ち伏せ置き石ですよね。これって、かなり知的な戦略です。本能だけで動く連中にできるとは思えません。最低でもライオンやオオカミ並みの知性があることになる。もしくは、カバネの群れを統率するリーダーが別にいる、か。二刀流を使ったあいつみたく、戦略を会得したカバネがいるのかもしれません。
 あるいは、ウォール・マリアを巨人の群れが陥落させたときのように、暗躍する何者かが群れの本能を利用して巧みに誘導したか……。

 あー。
「六根清浄」って、あの使いかたは根本的にまちがってる気がする(笑)。