(旧暦 文月十三日、迎え火)

 旧作でのツッコミどころを巧みに解決する『2199』。

 七色星団戦では、最後にドメル艦隊が脆すぎた印象を拭えませんでした。
 脆かったのは今作も同様ですが、こちらは事前に、老兵と老朽艦ばかりを寄せ集めた、にわか艦隊という説明がありましたからね(あの三段空母が老朽艦とは……まあ“四十年前”の型ではあるが♪)。
 同時にドリル・ミサイルについても「兵器でないものを急ごしらえで兵器に転用した」と新見女史が推測したことで、ハッキングが容易だった説明になってますよね。旧作なんて、配線切って逆に結んだだけなんだぜー。

 それでもヤマト勢の奮闘振りが凄すぎます。科学力ではガミラスが上でも人材的にはヤマトが桁違いに勝ってるでしょ(いや、科学力も戦闘機については互角に見えるぞ)。

 旧作では艦底部が第三艦橋もろとも吹っ飛びましたが。
 今回、波動障壁とやらのおかげで第三艦橋の下部が焦げた程度とは……ドメル司令が不憫でなりません。

 そのドメル司令が特攻を決意して皆が従うシーン。あれは怖いです。あの空気では自分だけ「それじゃ」と言って退艦できませんよぉ……。
 そーゆーところもきちんと描いてくれると「戦争を描いた」と言えるんじゃないかな。あれではカッコいいばかりが目立ちますし、それは危険なことだと思います。
 思えば、冥王星海戦でのミサイル艦ゆきかぜも、そんな空気醸して特攻しましたっけ。

 ところで、新見女史も入れられているヤマトの独房って、どこに位置するんでしょうね。
 大航海時代の帆船などでは捕虜や奴隷は船底と相場が決まってますが。
 身動き取れない身で戦闘が始まってしまえば逃げ場もない。これで外側に位置してたらと思うと恐ろしいですね。せめて戦闘開始前に船外活動服くらい配布してくれないと(あ、新見女史がはだけてた制服は気密機能あるのか? でもメットはなかったですよね?)。
 ちなみに武家屋敷では外周、つまり塀に当たる部分が下っ端連中の寝起きする場所で、主人の住む母屋をそれでぐるりと囲むのですよ。つまりは人の壁ですね。怖い怖い。

 雪が攫われ、ユリーシャが目覚めた。
 これでユリーシャがクルーとしての活動までするなら『ヤマトよ永遠に』な展開ですが。はてさて。