妄想。
もしも万年筆でお絵描きするなら。
基本。
パイロットのカクノ一択。
カクノは所謂“千円万年筆”で、しかも軸色が五色+十色+透明軸と豊富なので、使いたいインクの色の分、揃えたいペン先の太さの分、買い揃えることでインクの入れまちがい使いまちがいを予防できる。しかも、仮に十本買ってもフツーの万年筆一本分に届かないお得さ。
さらには、価格の安さ故、万が一に顔料インクが詰まっても、ダメ元で自己流分解掃除を試すことができる。失敗したらしたで買い直せばいいだけ。
金ペンではないものの、書き心地はしっかり万年筆。個人的印象では、金ペンが付いているプラチナ#3776 のほうが、ずっと固い感触。なので、カクノで線を引くのに何ら遜色なし。
唯一の弱点と言えば、ニブに太字が無いことくらい。カクノは中字、細字、極細の三種類だけなんだな。
なので、そこを補う意味で、かつて“千円万年筆”で今は“千五百円万年筆”のセーラー ふでDEまんねんに太字担当として着任してもらう手がある。ふでDEまんねんは単なる太字ではなく線に表情を付けやすいので、カクノ軍団に追加するだけで、ほぼ完璧ではなかろうか。
少し上級。
ツイスビーの VAC、それもスタブ1.1 のニブ。
スタブは縦線は太く横線は細くなるので、これ一本で自在に線を引くことができる。
しかも、透明軸なので入ってるインクの色が判り、混乱を避けられる。
しかもしかも、VAC はプランジャー式のインク吸引なので、一色で描くなら途中で補給せずに描き上げられる。かもしれん。
しかもしかもしかも、これ、ユーザーで気軽に分解できる仕様なんだな。よって自分で徹底洗浄できるので、様々な顔料インクを気軽に取っ替え引っ替え使える。
もっと上級。
万年筆ではないのだが。
ガラスペンを線の太さや軸の形態などなどで複数本を使い分ける。
たぶんこれ最強。
以上、妄想でした。
念のために言うとくけど。
パイロットのフォルカンや中屋の軟ペンなどを紙に強く押し付けてペン先を広がらせて「細字のニブで太字も自由自在」みたくやってる写真がありますけどね。
あれ、やっちゃダメですからね。高価な金ペンをいわしかねんからね。
あーゆーふーに一本の線で強弱をつけたいなら、素直にGペンとペン軸を買ってきて使ってください。そのためのGペンですから。
万年筆でやることではないです。
どうしても万年筆で、というなら、それこそスタブとかミュージックとか長刀研ぎとかでしょうか。それでも、捨て身(消耗品ってことね)のGペンには敵わないと思います。
むしろ、カリグラフィー・ペンを太さすべて揃えるほうがいいかな。つか、もはやプロの選択ですがこれ。