一粒万倍日 (旧暦 葉月廿一日)

 この夏、「金ちゃんヌードル味焼きそば」というのを見かけました。
金ちゃんヌードル発売50周年記念商品」なのだそうで。
 デザインは金ちゃんヌードルそのまま、それを上下からプレスして真っ平らにしてカップ焼きそばに仕上げた。そんな感じのパッケージング。

 オイラはヘッド奈々と同じく金ちゃんヌードル好きで。
 同じ徳島製粉の作る「ねぎらーめん」も好きで。

 なので気になっていましたが、なかなか買うタイミングが無く(と言うと聞こえは良いが、いつものことでモタモタしてただけ……)。
 長かった夏も終わりに近づいた先日、ようやく買ったのですよ。

 早速、食べました。



 うっ!



 いや、開封した時点で予感はあったのです。
 それにしても、まさかここまでとは。

 ぶっちゃけ言いますと。
 麺と言い、かやくの海老と言い椎茸と言い、ソースと言い。
 これは金ちゃんヌードルそのもの。外側同様、中身も金ちゃんヌードルそのものです。ただ、麺の形が真っ平らになっているだけ。ソースも、袋に「ソース」とあるだけで実際はヌードルの粉末スープです。
 つまりは、金ちゃんヌードルを作る際に、先にスープを入れず湯切りしてから麺に絡めれば、まったく同じ味になるはずです。

 検証する意味で。
 二個目を、あえて湯を捨てずにソース(袋に「ソース」とあるが、以下同文)を溶いて食べてみました。
 はい。
 真っ平らな金ちゃんヌードルでした。ほんま、そのまんま。

 焼きそばにする意味あるのか?


 これで思い出したのが『小泉さん』の麻雀回。
「レアなカップラーメン」という優勝賞品に釣られた小泉さんが麻雀をにわか特訓、本番であわや四槓子の寸前まで行って“燃料切れ”したエピソードです。
 その賞品が、「ペヤング ソースラーメン」という代物。
 自分は食べたことも、お目にかかったこともないのですが。
 巷の感想を拝見するとやはり、いつものペヤングをそのまま(あるいは無理矢理?)汁麺にした、みたいなものらしいですね。
 ただ、具は変えてきているそうで。
 大筋では、いつものペヤングを湯切りせず、そのままソースを溶いたら、かなり似た味になるんじゃないのかな。と想像してます。


 金ちゃんヌードル味焼きそばは、商品開発の発想としては、このペヤング ソースラーメンと同じと言っていいのだと思います。
 ただ方向が「焼きそばをラーメンにしたら?」と「ラーメンを焼きそばにしたら?」という真逆なだけで。

 ソースラーメンは、何せあのペヤングですからね(笑)。
 ジョーク商品として出してきた可能性大なのですが。

 金ちゃんヌードル味焼きそばは「50周年記念」なのに、ジョーク品を出してくるってのがね。
 いつもふざけてる(爆)ペヤングと違い、金ちゃんはそーゆーブランドと違うやろ、と。

 某日清みたく、豪華な金ちゃんヌードルとかを出すほうが「記念」になったんじゃないのかな。
 はっきり言って旨くもない焼きそばもどきを食べての、これが素直な感想です。



 いやね。
 そもそもの話。作る際に焼かないカップ焼きそばで肝心なのは、焼いたと錯覚させるソースの風味、香ばしさなのです。
 ここを忘れて、スープをソースに名前だけ変えて済ませた金ちゃんヌードル味焼きそばは、実は単なる汁無し麺に過ぎないのです。

 残念だよ…………。
 三個目、どう食べようかなぁ。(;^_^A