一粒万倍日 (旧暦 弥生八日)

 おいおいおい。
 いったい、どういう方法で取ったデータなんだあ?
 よお?

https://article.yahoo.co.jp/detail/469c9ff0a4c455713f32cb5fbbb13c552c330e51

 何が「ガチで天才」ですかね。阿呆らし。
 単に人気ランキングじゃないですか、こんなの。
 そう見られるのが嫌だから、わざとらしく一位に手塚先生を持ってきた。
 結果、ツギハギのランキングになってて、記者の低脳さがバレバレです。

 十位以内に挙げられている漫画家さんの半分が、有名タイトルが二つ三つしかありません。下手すると一つしかない人も……。
 こんなレベルを「天才」とは言いませんし言えませんよ。
 言葉は悪いですが、たまたま売れたから超ロングヒットになってるだけで、一タイトルだけで天才かどうかなんて判るはずがない。
 どなたも他人より努力家であり秀才だから売れたのは、まちがいありませんが。
 でもさー。『ワンピ』が天才? 『進撃』が天才?
 いやいや寝言は寝てからどうぞ。
 この二つは「売るための対策を徹底的に取った」作品です。才能云々ではなく、むしろ理論武装ですよ。創作の、いやむしろビジネスのノウハウで構築されています。そこはそれで凄いと思いますけど、でも「天才」とは意味合いが違う。

 手塚先生が判りやすいですが。
 出す作品すべて売れる話題になる叩かれる憎まれるアニメ化される。
 これくらいでないと。
 しかも手塚先生は、次から次へとアイデアが浮かんできてペンを動かす手も時間も全然足りない、というご生涯だったと聞きます。確か病床での最期の言葉が「仕事をさせてくれ」だったんじゃなかったかな。
 ここまでのレベルでない限り「天才」と呼んではいかんです。

「天才」の称号を安売りするなっての。

 ↑の条件に該当する人となると。
 失礼ながら鳥山明さんは入りません。メチャクチャ売れてる人ではありますし、デビュー当時から他の誰とも似ていない絵柄で勝負していたあたり、才能の塊なのは、まちがいないのですが。でも「天才」と呼ばれるには、「天才」であることを証明するには、絶対的にタイトル数が足りない。つか、鳥山さん、仕事ほっぽって遊んでたり、カノジョ(奥方様)とデートしたりしてましたからね(笑)。
 同じ理由で、秋本治さんも「天才」ではない。
 お二人とも他者を逸脱した超高レベルの秀才だと思います。

「天才」とは言い換えると「怪物」です「バケモン」です。あるいは言いかたを変えるなら「仕事に取り憑かれた者」。
 そうなれば、やはり真の天才である手塚先生に続く候補は石ノ森さんでしょうね。藤子Fさん、藤子Aさん、横山さん、あたりはやはり超絶高レベル極限的秀才。
 ああ、赤塚さんだけは「天才」じゃなく「紙一重」が似合うと思います、絶対♪
 水木サンは、そもそも妖怪だからカウントせず(爆)。いや真面目な話、あの人は画家を目指してたので少し違うんですよね、あれこれと。
 松本さんも凄まじく売れた人ですが、やはり天才ではない。ぶっちゃけ、長編が絶望的に下手クソ。長編については完結させる能力が皆無。
 そして。
 今もご活躍の中から「天才」候補を挙げるなら、真っ先に高橋留美子さんでしょう。何せ、この人、長期連載すべてアニメ化されてるんですよ。だけでなく短編もけっこうな数がアニメ化。しかも「描くのが辛いと思ったことはない」と言って、編集さんだか先輩漫画家さんだかに「なら、まだまだだね」と苦言を呈されて、それでも平気の平左だった。四十年間で、お休みしたのが、ほんの少しだけで、それ以外ずっと第一線を維持しておられる。現役の中から、この人を「天才」候補に挙げずして誰を挙げるんですか?
 それが、まさかの五位だから、こんなの天才ランキングとは程遠いんですよ。

 最初っからシンプルに人気アンケート、あるいは発行部数もしくは売り上げランキングにでもすればいいんだよ。
 記者はバカですか?