三隣亡 (旧暦 神無月廿五日)

 そう言えば、原作読んだときからの疑問。
 B坊の「B」って何だろ?
 雪男だから「Bigfoot」の頭文字かな?
 公式に出てないから、不明のままなんだわん。



 やっぱり、制作は判っていないとしか……。

 弁天もおユキも、原作初登場は1年4組時代です(つか、二人ともクラマ姫より早い登場だったんだよ)。
 だから当然、その空気感でのエピソードとなります。錯乱坊とスキヤキと諸星夫妻の“三角関係”とか、あたるがB坊に捕まってマスコミ騒ぎになるとか、まさに1年4組時代の雰囲気そのもの。
 それを、面堂が作品の空気塗り替えた後にやるか?
 まあ、弁天初登場の節分ケンカ祭りは、仮に原作の2年4組タイミングでやっても大丈夫かもしれませんが。

 ただ、ここでは一点だけ、感心したところがありました。
 あたるが弁天のことを「おいしそうだな~」と言った声が、諸星家の居間に響く。
 という現象が、原作では説明つかないんですよね。地球と鬼星の距離を考えたら、ありえへん。あたるは別に超能力者でもないし。
 そこをです。急ぐからとラムがあたるの部屋の押し入れに異次元トンネルを通した、という事実で、声が伝わる合理的説明を成立させました。
 原作では、ラムのトラジマUFOで鬼星に帰りましたから、気にする読者は解釈に困ってたんだよ。
 ここだけは、原作の欠陥を巧みに改良した。ああ、その手があったかと。

 問題は、海王星の話。
 冒頭、風邪引きあたるの見舞いにと、しのぶが枕元に座って、あまっさえリンゴを剥いてくれる。こんなカノジョ的積極的行動は1年4組時代でないと、ありえません。
 なぜなら、しのぶは既に面堂に乗り換えているのですから。よって、あたるが風邪引いたくらいで見舞いになど来るはずがない。実際、原作における妖怪アメフラシの事件解決後に風邪をこじらせて寝込んでいたあたるの所に、しのぶはついに来ませんでした。つか、アメフラシの呪いで死にかけてるあたるを心配する役目を、しのぶは作者氏からむわったく与えられなかった。完全放置です。そーゆー立ち位置なんですよ、面堂登場後の、しのぶって。
 おユキに「2号」扱いされて怒るのも変な話です。「2号」と言われて怒るのは「正妻」の自意識があるからに他なりません。原作では1年4組、つまり、あたる&しのぶのカップル時代だからこそ、この「2号」発言問題が成立するんです。
 ここでは、しのぶが完全に、面堂のいない状態に戻ってしまってるわけです。だからこそ、ありえない。
 ま、このエピのオチを面堂が担当したのは、ご愛敬ということで。

 あたるの引退は……原作における数少ない“三流品”エピソードだったからか、まさかのCパート扱い(苦笑)。「津波の心配はありません」な地震速報が二度も入ってすら、カケラも怒りが湧かないほどです。(;^_^A
 このクソつまらんエピを面白ドタバタ大乱闘にまで無茶改造して力尽くで盛り上げた押井版は、やっぱり凄かったなぁ。



 マジで分割4クールやるん?
 この調子で?