不成就日 (旧暦 神無月四日)

 どこまでも原作どおり。

 面堂が登場して、原作で言うところの「2年4組」の空気感に切り替わりました。
 モブたちの台詞も、一字一句が原作どおり。
 原作サイドから太い釘でも刺されてるのか? と思うくらいの漫画→アニメの変換作業ですわ。

 前にも言いましたけど。
 原作の『うる星』って、「1年4組」と「2年4組」とで作風が全然違うんですよね。

 1年4組時代は、あたる&しのぶの相思相愛カップルが毎度毎度、人外によってアオハルを邪魔されるSF怪奇もどきのドタバタ悲喜劇。

 一方、2年4組時代、特に進級当初は、不可思議の要素が薄まって……と言うかほとんど消えて、単なる学園ドタバタになった。
 1年4組のときはそこまででもなかった、あたるのアホ面アホ言動が極端になりましたし。しのぶはイケメン面堂に惚れるだけの、ただの脇役・机女に降格しましたし。
 舞台は専ら友引高校の中で、しかも花和先生という学園路線を徹底誇示する追加キャラもあって。
 このあおりで、怪奇担当の錯乱坊もサクラさんも出番を失った。復帰したのは夏頃だったと思います。

 それほどに、新キャラである面堂の存在は大きかったわけです。

 自分が『うる星』に求めていたのは「1年4組」の空気感であって、なので当時、面堂は大嫌いなキャラでしたね。作品世界をブチ壊した張本人ですから(苦笑)。
 それもありまして、面堂が出ない話は2年4組であっても好きでした。例えばコタちゃん初登場のエピなどは、1年4組時代の作風そのままですよ。
 まあ、あんまりなかったと思いますけどね、面堂が出ない話って。(;^_^A

 今だから言いますが。
 当時、コミック本の購読をやめようかと本気で悩んだ時期があったんですよ。たしか花和先生の頃です。ガチで、つまらなかったから。
 その後に、インフルエンザの回でサクラさんが校医として復帰。夏休みエピで錯乱坊が復帰。で、学園モノの途中に、たまーに、コタちゃんなどなど不可思議路線が入るので、我慢して購読し続けたワケです。ぶっちゃけ連載中期頃は、コタちゃんのためだけに買ってたかも(苦笑)。
 と同時に、押井体制下のTVアニメが購読継続の推進剤になってくれていた、という事実もあります。だからこそ妖之佑は、原作絶対主義者に何を言われようとも、原作者様が本当に激怒しておられたとしても、押井版アニメを断じて否定しないのです。
 重ねて、はっきり言いますが。花和先生や登場初期のランが関わるエピは、本当につまらなかったです。終盤でも、渚や面堂家お庭番の親子が、つまらんかった。もはや無理矢理の梃子入れにしか見えず、痛々しかったです。連載を引き延ばさず、もっと早く「ボーイミーツガール」に入るべきだったと、今は思いますね。
 高橋さんは、連載作品のほぼ全てがアニメ化されるほどに凄い才能の持ち主でいらっしゃいますが。でも、天才も完璧ではない、ということですよ。

 今回は尺の関係でか、無理矢理に二つの原作を一つに圧縮してましたね。
 その影響で、あたるがしのぶを口説き落とすシーンの割愛と、洞窟内に埋まっていた宇宙船の主の変更があり、少し原作との相異が出てきました。
 が。
 はたして、アニメ独自の解釈、アニメ独自の楽しさは出てくるんでしょうか。

 正直、期待はできそうにないですが。
 むー。