(旧暦 水無月廿三日)

 第三期から四年ほど、でしょうか。
 違和感まったく皆無でブランクを感じさせず、すべてが安定してますね。さすがです。興奮したアルベドさんの口もデカいし(爆)。

 お話としては、第三期のすぐ後から。
 エ・ランテルがナザリック傘下となり一つの独立国になった……いや、圧倒的恐怖をもって建国を強制させられたところから。

 あいかわらず独白が小市民のアインズですが、やってることは冷酷な独裁者そのもので。
「どんな種族でも平等に暮らせる国」
 ゲヘナと大虐殺を実行した者が言うと、ますますクズの独裁者で反吐が出る。まるで、どこぞのプーだ。
 このチグハグ感こそがアインズいやモモンガさんの弱点になるんでしょうか。ま、ナザリック内では今までもボロ出してますが、アルベドさんらの自動深読み機能で「さすがアインズ様!」に変換されるので無問題。

 ゆえにキーとなるのは、出来る人物の存在なのですが。

 この物語で頭良さそうなのは。
 ワーカーの件をきっかけに、すでにナザリックと(見せかけの)友好関係を築いているバハルス帝国のジルクニフ皇帝。この人はかなり優秀な人物ですが、とにかく大虐殺を目の当たりにしましたからね。しかも腹の探り合いでもアインズには適わないと、ほぼ諦めてる。
 もうお一方が、今のところエ・ランテル改め魔導国がもっとも脅威な存在となっちまってるリ・エスティーゼ王国の第二王子ザナック、あの小太りさん。この人も頭が良いし気遣いもできるし倫理観も責任感もちゃんと持ってるし、そのヒネた表情や口調とは裏腹に指導者の器なんですよね。ただ残念なことに身近に超々猛毒が巣くってる。なので、ザナックさんが何かできるかと言えば無理。ゲヘナの時点でデミさんとつるんでたと思われる猛毒に、たぶんソッコーで潰される。
 残る鍵はスレイン法国か。三ヶ国の中、もっとも手段を選ばない国家ではありますが、その分、成果を上げる可能性も一番高い。ヤツメウナギを中途半端ではあるものの支配下に置いたワールドアイテムを保有していることからも、地理的にアインズが最優先で警戒すべき国なのは、まちがいない。
 だからこそ、アインズは帝国と王国に先に手をつけているわけで。両国家を支配下に据えたうえで最後に法国を、ということでしょう。
 転生者について知っているらしいドラゴンの国への侵攻は、もっと後になるよな。そもそもアインズも、ドラゴンのことはまだ知らないと思うし。
 とは言え、OPにドラゴンが出てますから、むしろドラゴンのほうから来るのかな。

 他の人間はと言うと。
 善人は悲しいかな無力。
 王国の権力者たちは、大虐殺の後なのでロクなのが残っていないという皮肉。
 前期の王国第一王子に輪を掛けたような典型的な馬鹿者貴族が、あれこれ楽しませてくれそうで……つーか、すでにアルベドさんの起爆装置に点火しちまってるよ。
 そのバカに協力(するふりを)している女性は、あれだな。八本指の一人ですね。マーレに脚を逆に曲げられたうえに、身の毛もよだつ拷問にかけられた、悪人だけど同情すべき気の毒な人。いや痩せてね? と言うか、やつれてね?

 最後の、そして最凶のキーマンは、たぶんユグドラシル・プレーヤ。
 前期のドラゴンの言葉や、今期の法国の会議から、二百年前に誰かが転生してきているらしい。ヤツメウナギを洗脳しかけたのは、その者から法国が受け継いだワールドアイテムと思われ。
 その転生者が今でも生きているのか、それとは別にモモンガさんと同時代に誰か転生してるのか、それは判らないものの、向かうところ敵なしの完全無欠とも言えるナザリックにして唯一勝てないのがワールドアイテムですからねぇ。
 さすがに至高の四十一人の誰かではないと思うけど。でも、もし仲間だったら拳法漫画的な展開となりますな(笑)。

 そもそもの発端であるモモンガさんのナザリックごとの転移、つまりはゲームそのものが異世界に転移した大事件の真相については、描く予定あるのかな? 一番重大なコトなんですけど?
 聞くところによると原作はもうじき終わるなんて話も出ていて。
 あー、これは投げっぱで終わるかなー、と。
 もしそうなったら残念ですね。