不成就日、桜桃忌 (旧暦 皐月廿一日)

 あれ?
 兄弟ゲンカで解決しなかった?
 むしろ、一層こじれた感すら……。

 赤石が、ズタボロになってベイルに回収されて戻った大二を優しく包み込んだのは、籠絡するつもりなのだと見えました。つまり猿芝居なのだろうと。
 が、その後、一輝と大二の大ゲンカの隙に避難所を襲撃した赤石は、光をかばって致命傷を負った牛島パパとの間で、えらく穏やかな、そして本音での会話を淡々と(ベテランお二人の演技だけに、このシーンは見応えありました)。ここでの赤石は死にゆく牛島パパに対し、むしろ好意的にすら見えた。遺体の横にあぐらで座り込むなど、思うところがあったとしか(本当なら、すぐに避難民を追撃するつもりだったはず)。
 でもって、大ゲンカの末に一輝に負けた大二のことを「大切な家族」と言い、回収した。このときの感情のこもった言葉からすると、本心にしか思えない。

 赤石の心境に変化が?
 そう言えば冒頭、大二が一輝たちにズタボロにされるときの様子をモニターで観ていた赤石の表情が不可解でした。
 あるいは、兄にも妹にも自分の正義を理解してもらえないことを苦しむ大二に、かつての自分の姿を見たのかも。
 赤石はギフの手下になってから数千年を独りで生きてきた。仮に信頼できる同士ができたとしても、すぐに死別する。そして、自分が人類救済を考えていても、それを大衆に理解してもらえないという孤独の幾星霜。
 で、大二に共鳴してしまった?

 大二の造反をハナっから赤石の心境に繋げてくる意図だとしたら、やるな脚本。

 となると大二の五十嵐家帰宅は、まだ先になるのかな。
 下手すると終盤? 赤石に絡んだ重要エピーソードを経てからでないと帰還しない?

 その前に、パパさんとベイルのほうにケリをつけるということかな。
 予告編を観ると、そんな感じで。

「風林火陰山雷」は恥ずかしながら知りませんでした。
 赤石語録、あなどれん。