不成就日 (旧暦 葉月十八日)

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 『ゲゲゲの鬼太郎』5~7
  水木しげる/中公文庫


 これに同じく第4巻を加えることで、つまりは中公文庫の第4~7巻の四冊で『新編ゲゲゲの鬼太郎』および『鬼太郎地獄編』をコンプできます。収録順も、ほぼ掲載順に近い。
 つまるところ、『水木しげるコレクション』とで、けっこう被ってしまうんですよね~。
 でも、『新編』&『地獄編』に限って言えば中公文庫で揃えるのがベスト(無論、大全集は別枠)。

 タチキリが多いということは、もう言いましたから。
 他の話題を。

『新編』の特徴として挙げられる第一は、猫娘がレギュラー入りしたことでしょう。
 アニメで『鬼太郎』に入った人には意外なことですが原作において、猫娘は旧マガジン版の「猫娘ねずみ男」で一回登場したっきりです。
 少年サンデー版に出てきたのは猫子という、まったくの別人。
 その後、猫娘は『挑戦シリーズ!』で、お下げ髪での登場。そして鬼太郎が高校生になった『続鬼太郎』では大人びて……と言うか変わり果てた姿(笑)で登場。
 つまり、我々のよく知る外見、前髪パッツン&後ろ刈り上げ&ワンピースの猫娘は旧版では一度しか登場しておらず、その活躍は『新編』を待たねばならなかったのです。
 これは、アニメ準拠のデザインとなった『新編』のゲゲゲハウス同様、アニメからの謂わば“逆輸入”と言えます。その意味で、アニメ版の特に第二期の功績は大きい。

 シーサーが新たな仲間として参入したことも『新編』の特徴ですね。鬼太郎のそばに付いて、いろいろ学びたいと言いつつ、ねずみ男に上手く転がされる様子は、『こち亀』の寺井さんや本田くんに被ります♪
 一方で、夢子ちゃんは出てきません。彼女はアニメ第三期の完全オリジナルですから。

 週刊少年マガジンでの『新編』連載が終了すると、すぐに月刊少年マガジンで『地獄編』が開始されました。
 その経緯については、『新編』の最終話「鬼道衆」で砂かけ婆たちがメタ発言してます(笑)。

 この『地獄編』が問題ありでして……。
 詳しくはネタバレになるので控えておきますが。
 今までの何十年かを覆すと言うか否定する内容で。
 正直言って困惑しますよ。ええ。