不成就日 (旧暦 文月十一日)

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 『ゲゲゲの鬼太郎』1、2
  水木しげる/中公文庫


『鬼太郎』としては初のフルカラー作品であるアニメ第二期に連動してだったのでしょう。少年マガジンで、きっちり完結したはずの『鬼太郎』が、少年サンデーに移動しての復活。
 その全十三話が、この1巻2巻に収録されています。ついでに、講談社漫画文庫では割愛されていた「鬼太郎の誕生」も第1巻の最初にあります。
 ただ、きちんと鬼太郎の現場復帰を描いたアニメ二期と違い、この“少年サンデー版”は「その後の鬼太郎」が無かったかのように普通に、いつもどおりの物語の流れで始まります。いいのかそれで?(笑)
 この二冊には「誕生」の他に、“少年マガジン版”のエピソードがいくつか入っています。「その後の鬼太郎」も入ってます。つまり講談社漫画文庫と内容が被ります。
 他で“少年サンデー版”の入った本を買うとなると、ちくま文庫ですが、こちらも講談社漫画文庫とで被りがあります。
 なら文庫でなく、となると「完全リマスター新装版」を謳う講談社コミックス『ゲゲゲの鬼太郎』全十三巻があるわけで、これだと“少年マガジン版”と“少年サンデー版”が読めて、しかもガロからマガジンへの転載である「特別編」三つも収録。完璧と思えるのですが、調べた限りでは「その後の鬼太郎」だけが入っていないっぽい……残念。
 結論。素直に『水木しげる漫画大全集』で揃えなされ。(;^_^A

“少年サンデー版”では、猫子(ねここ)という仲間が加わります。役割としてはアニメの猫娘そのものなのですが、外見がかなり違います。当然、“少年マガジン版”に一回だけ登場した猫娘(こっちのほうが見た目もアニメに近い)とは別人と思われます。
 この猫子さんに鬼太郎が、ねずみ男のことを「半分人間の血が混じっているので用心したほうがいいよ」と忠告していることから、猫子さんは純粋な妖怪なのでしょう。“少年マガジン版”の猫娘も混血という描写は一切ありませんでした。同族らしいのが「妖怪大裁判」でモブとして鬼太郎を糾弾してましたが……やはりハーフではなさそうです。
猫娘は半妖」というのは、どこから湧いてきた話なんでしょうね。いくら「公式設定」と言おうが、私は納得してませんよ。

 中公文庫の『鬼太郎』は全九巻。
 第3巻は『世界お化け旅行』。第7巻は『鬼太郎地獄編』。第8、9巻はガロで連載された『鬼太郎夜話』(貸本版のリメイク)。
 第4~6巻が、よく判らないんですよね。なので全巻買うか、あるいは一部分をちくま文庫に頼るか、悩み中であります。