秋分、彼岸中日 (旧暦 葉月十七日)

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 『水木しげるコレクション』全五巻
  水木しげる/角川文庫


 古本なのでカバーの仕様が新旧バラバラです。(;^_^A

 第1巻に『鬼太郎地獄編』が。
 第3巻に『雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎』が。
 それぞれ全話収録。

 また、青年誌で連載された『挑戦シリーズ!』から「UFOの秘密」が第1巻に、「地上絵の秘密」が第5巻に、それぞれ収録されています。
 残念ながら「太古の秘密」は入っていません。

 そして、これも青年誌連載の『新ゲゲゲの鬼太郎』が収録されています。
『雪姫ちゃん』以上に『新鬼太郎』こそが、この五冊の本命かもしれません。ただし、コンプには少し遠いです。


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 『ゲゲゲの鬼太郎 4 猫町切符』
  水木しげる/中公文庫


 これを足すことで『新鬼太郎』は、一話を残して揃います。

『挑戦』は、青年誌ということもあってか、大人向けです。よーするにエロエロです(苦笑)。
『新』は、そこまで極端ではありませんが、それでも少年誌に比べると大人向けですね。
『雪姫ちゃん』は少年誌なので、安心して読めます(笑)。
 他には、アニメ第三期と併走していた少年マガジン連載の『新編ゲゲゲの鬼太郎』から抜粋の形で収録されています。

 で。
 その『新鬼太郎』残りの一話「影くい猫」ですが。


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 『水木サンの猫』
  水木しげる/講談社漫画文庫


 これに収録されています。
 この本は“猫縛り”でいろいろ集めた水木サンの短編集です。
 なので、少年マガジン版『鬼太郎』の「猫仙人」や「猫娘ねずみ男」、そして鬼太郎が高校生になった『続ゲゲゲの鬼太郎』の「猫娘」も入っています。
 おかげで、角川文庫、中公文庫とで、「猫町切符」が三つも被りましたよ(苦笑)。


 ちなみに余談ですが。

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『コレクション』五冊を並べて腹を見てみました。
 白黒がはっきりしてますよね。
 白いところは『挑戦』と『新』と『雪姫』、黒いところは『新編』と『地獄編』。
 いちおう、青年誌と少年誌とで違いが出ています。つまり、原稿製作で「タチキリ」を多用しているかいないか。

 少年誌連載であっても『雪姫』と、これらより前のアニメ第一、二期の頃の原作ですとタチキリは、ほとんど見られません。
 つまり、タチキリの乱発はアニメ第三期の頃の作風と言える。
 と言うか想像ですが、水木サンでなくアシスタントのかたがたがやったんじゃないのかなと思うんですよね、タチキリ連発。

 タチキリは安易に使うと、B4紙に引いた基本の枠がメチャクチャ狭く感じるようになって、やめられなくなりますからね。つまり習慣性・中毒性がある。
 昔は、漫画を物語としてよりも絵画として扱う少女漫画にこの傾向が強かったのですが、その後、どおくまんさんなどが全頁タチキリにしちまって……何と言うか、タチキリ解禁みたくなった印象があります。
 最近ですと『ハンチョウ』も近いですし。

 タチキリは本来、メリハリを付けるための手法です。重要人物の登場シーンで四段抜きにするとかと同じことですね。
 なので乱用はバツであり、まして全頁タチキリ構成など論外だと個人的には思います。何より読みにくいですから。

 よって、水木サンが乱用したとは思えない。
 ならば“犯人”は?
 ということですよ。