廿六夜待ち (旧暦 文月廿六日)

 私の記憶が確かなら、テキサス州は昔はフルオート銃も所持できる等々、銃器コントロールの緩い所だったのですが。
 これは、さすがにびっくりですね。

https://news.yahoo.co.jp/articles/7c9ff0261d764a22d2eca9f8072f84bfecb3c7b9

 ほぼ開拓時代に戻った感じ。

 意外に思われるかもしれませんが、現代の U.S.A. では拳銃の携行はほとんどの州で原則禁止されていました(警察官などの公職を除く例外は、州から特別に許可を得た私立探偵や賞金稼ぎなど)。ほとんど砂漠なアリゾナ州あたりは、毒蛇とかウロウロしてたので実質、黙認だったらしいけど(笑)。
 そう。携行ね。所持や輸送ではなく携行。つまり、いつでも使えるよう身に着けること(車載を含む)。
 具体的に言うと。
 銃器店で買った拳銃と弾を自宅に持ち帰ったり、所有している銃や借り物の銃を合法的に撃てる場所(射撃場や狩猟場など)に持って行くことはOK。ただし、輸送中は撃てない状態にしておかないと「携行」と見なされる。要は、空の銃と弾とは別々にしとけってコト。
 一方、専用ホルスターでなくともカバンの中に書類や筆記具に混じって装填した拳銃を入れてあれば携行となるし、車のトランクに拳銃と弾を一緒くたに放り込んで忘れてたというケースも検問でバレると捕まる可能性がある。
 護身用に持ち歩いていても合法なのは、自分の土地家屋内や、管理者に許可を得たうえでの私有地の中だけ。なので、民間施設の中で、正規に依頼された警備員が銃を持つのは、施設の敷地外に出ない限りはOKだと思う。
 外出先で非合法に携行していた銃器で追い剥ぎや通り魔から身を守った場合、正当防衛は成立して、銃器については違法携行で検挙される。ここが、U.S.A. の面白いところ。と言うか、日本よりずっと論理的切り分けができている。日本だと、襲ってきた通り魔を持っていたサバイバル・ナイフで刺したら傷害と不法携帯の両方で有罪になるからね、たぶん。

 話が寄り道しましたが、そんなわけで、↑の法改正は、いくら「殺られる前に殺れ」の U.S.A. でも、ありえなかった。
 それが現実になるとは……恐ろしい世の中になったものです。

 かつて月刊『Gun』誌がブッ跳んでた頃に活躍していた実射レポーターの何人かは「これを機に日本でも拳銃合法化しろ」とかバカほざくんだろうな。ルイジアナ事件のときに『C☆M』誌への寄稿で論点すり替えて日本の銃刀法批判をした永田某とか、そもそも何も考えてない和智某とか。活躍してはいなかったけど永田某の熱烈信者、野崎某も言いそうだ。
 一方で、頭の良い高野氏は絶対に言わないし、バランス感覚の優れた田久保氏も永田某に遠慮しつつも言わない気がする。
 それ以後の人たちは毒気がないから考えもしないでしょう。

 ただまあ。
 頭のおかしな人や“無敵の人”が現実にいることや、道徳観の違いすぎる外国人がワラワラ増えたことや、巷に闇銃が流通しているらしいことを考えると、自宅に護身用の銃を備えるのは、あるいは日本でも必要なのかもしれないなぁ。
 とかは思います。残念なことですが。
 素人の想像ですが。日本だと、合法的に所持している猟銃で、押し入ってきた強盗を撃退・退治した場合、正当防衛は成立しないように思えるんですよね。金属バットやアイアンの5番で殴った、台所の出刃包丁で刺した、くらいなら正当防衛になるかもですが。銃器だと問答無用でアウトにされると思う。