大つち (旧暦 卯月十一日)

 やっぱり大衆に崇められてるわ蜘蛛子さん♪
 にしても住民の皆様がた、お互いに参拝回数自慢し合うとはね。十五回は、さすがに熱心だな。つか誰だよ拝殿こしらえたの。仕事早すぎ(笑)。
 勝手に拝殿はともかく、キャラ物の便乗商売って不敬にならんの? いくつか欲しいのあったんだが(爆)。
 で、あちこちの国々から神獣を渡せ寄越せの大合唱で、根岸さんのパパは頭が痛いと。あー、領主さんだったのねん。
 そこに訪問したのが、まさかのエルフ族長。あれは根岸さんを鑑定したな。で、転生者と確認してから、お帰り。
 ん? とすると、神獣を見たいと言ったのも転生者かどうか鑑定するため? いや、それはないかな。十五年後の岡ちゃんが過去であれ何であれ蜘蛛子さんを認識してる様子はないから(「若葉姫色は死んだ」と言ったのが嘘でないなら、ですが)。
 それはいいんですが、根岸さんパパと握手したときの手がね、何か変だった。

 一方の十五年後のエルフの里では、同窓会開催。第一話だったか、岡ちゃんがクラスの生徒たちを集めてるみたいな発言してましたからね。
 根岸さんのパターンから考えて他のみんなも、そして岡ちゃんも赤ん坊のときから前世の意識があっただろうから、精神面も含めれば十五年かけて生徒たちを保護した、ということになりますか。大変だったろうな岡ちゃん。
 でも、担任の苦労、生徒知らず。
 曰く、売られた者や拉致された者もいるとかで、かなり強引に集めていた模様。ああ、だから根岸さん一家をエルフどもが襲ったのか……あれ? でも、その後で族長が訪問って順番が逆じゃね? うーん、さらに裏があるのかな。
 まあ、だから元生徒たちの中には、岡ちゃんに怒ってる者もいると。いやいや、拉致された立場なら理解できるけど、金で売られたのは元々が親に可愛がられてなかったから別によかったんじゃないかとも思うんですが。
 ところで、根岸さんにマミられたはずの族長は生きてましたとさ。あっちは影武者だったのかな。十五年前の変な手がヒントなのかも。

 で、十五年前の蜘蛛子さんは辛くもマザーを撃破。まさか、また生首だけになるとは(苦笑)。
 合流した元魔法担当1号2号の談から、元体担当は、やっぱり魔王の中に行ってしまった。で、戻ってこれなさそうと。
 マザーをやられて、魔王は激オコだし。何だか判らんうちに、知性高そうな魔物をワンキルしちまうし。こりゃあ元体担当は魔王の意識に吸収されちまったかな?
 とにかく、さらに波乱になりそうな……。