下弦 (旧暦 弥生廿三日)

 第一話を観逃したのです『ハクション大魔王2020』。

「何でも美化すりゃいいってもんじゃない」というのは『BEM』の女子高生ベラに寄せられた巷の声でしたが。
 アクビが美化されて、というか成長して、ねこ姉さんレベルだったらしく。それは観ておくべきだったかも。

 なら、なんで忘れてたか?
 昨今流行りの安直で無意味なリブートだと思っていたからです。一作目とは独立した別世界の物語だと思っていたからです。

 ところがぎっちょん。
 第一話を逃してから、『2020』は第一作目の正統続編だと、あの涙の最終話から五十年後の物語だと、そう知って、ぬかったと思ったわけです。
 これは気になるじゃありませんか。あのとき、たしか大々魔王様は「壺の存在が人々に知られすぎてしまったから、百年ほど人から遠ざかることにした」と宣言しました。で、強制的に魔王とアクビを回収した壺は満月の彼方に飛び去った。ゆえに魔王やアクビはカンちゃんと永久の別れとなった……はずなのです。
 なのに『2020』ではカンちゃんの孫が登場、カンちゃんも登場。これはいかん。観なくては。百年がなんで五十年に縮まったのかも気になります。

 これを機に、当時は面白さを感じず見限った『よばれてとびでて! アクビちゃん』のことを調べてみたのです。
 こちらも、いちおうは正統続編だったんですね。知りませんでした(いいかげんに観てたからなー)。
 でもカンちゃんとかは出なかったわけですし、前作との共通性を感じられなかったのは事実ですから。

 思えば一作目は、レギュラーに南部博士、サザエさん、タラちゃん、目玉親父、そして後半にはニャンコ先生もという錚々たる顔ぶれでしたからね。
 あの名作を『2020』が、どう継承するのか。第二話からは、ちゃんと観なくては。



(験担ぎ的には不安なんだよなー。歳取ったカンちゃんの声が古川さんって聞いてサー、『キン肉マンII世』の老いたスグルを思い出しちまうんだよなー)