臘日 (旧暦 師走十四日)

 観てきました、『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』を。(タイトル長ぇな
 小正月も過ぎると、さすがにガラガラで助かります♪



 基本的には歴代ライダーそれぞれを丁寧に再現していたと思います。演出とスーツアクターさんたちの努力の賜物でしょう。
 ゴーストの浮遊攻撃、ウィザードの裾を翻す仕草、ファイズ&カブト&ドライブの三人揃って加速装置、フォーゼの飛行攻撃、キバの逆さぶら下がりも懐かしい。龍騎は、ちゃんとストライクベントにファイナルベント♪ アギトのクロスホーン展開がなかったのは少し残念。
 逃げまどう群衆とすれ違いにヤンキー歩きして、しかも戦闘時には鍔迫り合いでバチキかます電王ソードフォームが素晴らしすぎる!
 オーズのトラクローがコアメダル強奪以外に、あんなに活躍したことってあるか?(大笑)
 そして、クウガのサムズアップにキレッキレのバイク・アクション。何度も申してますが、妖之佑は唯一『クウガ』だけ未視聴なんですよ。で、聞くところによると、今回は当時のバイク担当の人が再登板なさったそうで。つまり、あのシーンだけは当時のクウガそのものだったと。凄いですね。
 ただ、さすがに響鬼さんのライダーキックは、ないですよねぇ。まあ、響鬼さんと言うか猛士の鬼さんたちは魔化魍相手に特化しているため、客演での扱いが難しいからなぁ。『ディケイド』のときの扱いも、そうでしたけど。あー、敵側勢力に素直に魔化魍を出して、そこへ音撃させりゃよかったのか。

『熱笑!! 花沢高校』(古っ)を思い出してしまう、あの集団バイク走行シーンではドライブの居場所がなくて、あらためて平成でも異質なライダーだったんだなー、と感じました。
 他に仲間はずれだったのは龍騎響鬼さん、でしたっけ? 龍騎はサバイブしないとバイクがないからで。響鬼さんのマシンは、ほぼノーマルだから没ったかな。
 あのシーン、オンロード・マシン組は辛かっただろうなー。造成地だもんなー。

 ソウゴが自分のレゾン・デートルに疑問を抱いたのは、時系列的には初めてでしょうか(TV本編でドライバーを捨てたのは年末だったからなぁ)。
 なので、一年先輩の戦兎が頼もしい頼もしい。





 ここからはネタバレですので畳んでおきます。


 いくつかの件について考察もどきをやってみました。
 要は妖之佑の独自解釈ですので、正しいなんて保証などあるわけないです。はい。

(いちおう反転もしときますかね念のため)



※ フータロスのあれこれ

 契約者が平成ライダー大好き高校生のアタルなので、彼のイメージを元に『W』の「ふうとくん」をモチーフに『電王』から「タロス」と命名されたと思われ。
 フータロスが久永兄弟のために身を挺して奔走したのは、人間のときの性格が超善人だったからであろう。
『電王』のイマジンは、特異点であるカイが記憶障害を患っていたため世界の再生が中断したことによって生まれた存在(断片化した記憶のせいで消えた人々を中途半端に再生しちまったということ)。なので人間だったときの性格がそのまま反映される。モモの字が気の良いヤンキーだったり、カメ公がスケコマシだったり、キンちゃんが脳筋だったり、リュウタがガキんちょだったり、デネブが世話女房だったり、ジークが上から目線なのもそのためだし、強引な契約完了のうえに電王と闘ったイマジンたちは元々悪い奴だったってこと。
 契約完了で実体化はしたものの、あの締めくくりだとアタルはそもそも契約しなかったことになるので、フータロスのその後が心配になる。いっそのこと良太郎が保護するか? もう五タロスも六タロスも同じだろ(笑)。電王ファンフォームとかさ♪


※ ティードの目的

 実は、この肝心な部分が明かされていない。
 彼が「スーパータイムジャッカー」を名乗り、実際にタイムジャッカーとしての力を使っていたこと。
 平成ライダーすべてを消す、そして王になる、という宣言。
 これらから推測すると、基本的にはタイムジャッカー三人組と同じく、オーマジオウとは別の王を立てて世界を作り変えようとしているっぽい(ただ、TV本編で三人組の最終目的が判明していないのは難点)。三人組がソウゴとは別の誰かを王にしようとするのに対して、ティードは自らが王になると言う。これを「三人組は、やりかたが手ぬるい」とするのか「ティードは思い上がりの愚者」と捉えるのかで、解釈が変わる。
 ただ……発掘される前のアークルに接触してクウガの力をウォッチに取り込むという行動は、アークルを五代雄介が出逢う前に遺跡から取り出して小野寺ユウスケに手渡した鳴滝さんと被るんだよなぁ。まあ、鳴滝さんの目的も十年経ってなお、さっぱり不明なんだが(爆)。


※ アナザーWの正体

 これも放りっぱだった。ひょっとすると、企画段階にはあったものの尺の関係でカットした、というあたりかもしれないな。
 Wだから、やっぱ二人かも。というところで巷に凄く面白い推理があった。あれが正解だとすると制作が鬼だよな(ヒント。シンゴを狙うアナザー電王はシンゴの弟。ならシンゴを狙うアナザーWは……? アタルが進級をダブってた、つまり一年遅れたというのも関係ありそう?)。


※ ウォズが地球の本棚を使えた理由

 困ったときのウォズえもんだから、としか(爆)。
 ただ、絞り込みなしに「イマジン」一個だけのキーワードで電王にヒットしたことから、あれはフィリップの本棚ではなく、ウォズの本棚だと思われ。つまり平成ライダー関係の情報しか入ってないんだよ、きっと。いや、フィリップの本棚なら先にビートルズやレノンに、あるいはその他の有象無象にもヒットするやろ常考



 デンライナーのオーナーが登場するとは思いもしませんでした(嬉)。
 悩むソウゴに戦兎が言う言葉と、『電王』最終回でオーナーが言った言葉とが被って、涙が出ました。
 戦兎は『ビルド』本編で身をもって味わってますからね、自分の存在意義・存在意味について。だからこそ、迷うソウゴに毅然として言いきれた。



 いちおうは、お祭り作品ではあるのでしょうが(お祭りらしく、設定面での矛盾は多かった)、物語としてのテーマもちゃんとあって観応えがありました。
 楽しかったです。