(旧暦 葉月十八日)

 先月のこと。恒例の中古カメラ市に行ってきました。
 半年前よりは収穫がありましたよ。

 そのせいか、一般客を押しのける個人業者も多かったように思います。ワゴンからめぼしい物を山盛り取り出して床に広げて品定めする見苦しい行為もデフォで(怒)。少し目を離している隙に、ジャンクの中にチェックしていたカメラを根こそぎ、しかも同一機種全部、さらっていかれましたよ(苦笑)。
 店側も買ってくれる個人業者をないがしろにはできない(あるいは歓迎?)事情はあるでしょうが、目に余る行為は何とかしてほしいものです。ぶっちゃけ、オバハンたちが群れ集うバーゲン・セール会場のほうがナンボかマシです。あっちはラグビー並みに体力要りますけどね(爆)。
 比べたら、お金持ちの中国人客は、ずっと紳士・淑女してますね。ジャンクや安売り品になんて目も向けず、高価な美品だけを対象にしているからでしょう、行動に余裕が見えます。まあ、こっちはこっちで、国内にある名品が海外に持ち出されるので、カメラ好きの端くれとしては複雑な心境ですけどね。とは言え自分に購買力がないから喚いても仕方ありませんが……(涙)。

 さて、気をとりなおしまして。
 今回の獲物。

 Kallo gold

 妖之佑がこだわるW8規格の8ミリ・ムービー・カメラです。
 最近は、たまーに出会えるだけになりました(ジャンクではね)。

 Kallo gold

「Kallo」のロゴから判る人には判る。
 もっとも、妖之佑はこの機種を知りませんでした。「gold」というのが機種名なんでしょうか。

 Kallo gold

 側面を見れば誰にでも一目瞭然。「KOWA OPTICAL WORKS」つまり興和光学。
 この日記で何度も言ってますが、興和とは、あのコーワです。大きな緑色のカエルさん人形で有名なコーワです。
 興和は薬品だけでなくプロ用の光学機器や放送機器も扱っているのですよ。で、かつては民生向けのカメラも作っていた。カロは、興和のカメラ用ブランド。

 Kallo gold

 開くと「あれ?」と思います。いつものと様子が違いますから。
 通常ならリールに巻かれたフィルムが入る所に何やら仰々しいパーツが収まっています。

 Kallo gold

 とは言え、見れば判りますね。この中にリール・フィルムが入るであろうことは。
「I」の刻印にも注目。

 Kallo gold

 はい、思ったとおり。中に空リールがありました♪
 つまり、これはフィルム・マガジンです。

 Kallo gold

 こういうことですね。
 蓋の着脱メカは地味ながら、しっかりしています。

 Kallo gold

 蓋をして裏返すと「II」の刻印。要するに、マガジンごとひっくり返して使え、と。
 通常、W8のフィルムは、録音用のオープン・リール・テープみたく、往路が終わったらリールをひっくり返して復路を使うのですが、これを野外でやると光や埃など、いろいろと問題がある。このマガジンは、それを解決したものと言えるでしょう。しかも、マガジンを複数用意しておけば、フィルム切れを気にせず撮影に集中できるというワケ。
 カセット・テープみたいなもんですね♪ いや、中身がリールと同じだから、短命に終わったエルカセットの同類か(爆)。
 暗室や暗箱、暗袋の中で、このマガジンにフィルムを入れたら、無駄が減るんじゃないかな。W8に限らず、リールに巻かれたフィルムは外側の分が遮光用の犠牲となるから。

 Kallo gold

 見た目が地味なのに、中身で他社と差をつけるあたり、さすが興和です。
 同社の SIX やSWが、ますます欲しくなりました。

(※ なお、何となく気分的に落ち着かないので、内部にあったシリアル・ナンバーは伏せ字にしてあります)