プラクチカの MTL5 と、ありますね。
見たところ機械制御の、ごく一般的な一眼レフです。
安かったのでソッコー購入……とはならず、けっこう悩みました。
いやぁ、妖之佑の知識ってば段ボール箱に詰め込んだ書類とか断片化したままの HDD みたいなものなので、「プラクチカ」という言葉は知っていても詳細が、かなり曖昧なのですよ。
見た目は往年の金属製カメラですがね。手に取ったら、まー軽いこと軽いこと。びっくりしました。
最速 1/1000秒というのは平均的スペックであり、実用面で「可もなく不可もなし」です。
フィルムの分割巻き上げ(小刻み巻き上げ)は、できません。まあ、ニコンの New FM2 もできませんが(苦笑)。
シャッター・ボタンの位置が特徴的ですね。この型式、国産だとペトリやトプコンにあります。位置的に使いやすいんですよ通常は…………つまり、これはちょっと微妙。構えるとストラップ用の金具が人差し指に干渉します。もう少し上か下なら良かったんですが、これは妖之佑の手が相性悪いということかな(涙)。
シャッター・ボタンのすぐ隣の黒いレバーは、絞り込み測光用です。開放測光がデフォの今だと「プレビュー・ボタン」と名前と目的が変わっていますが、機能的には同じものです。装着すると絞り値に関係なく開放状態となるレンズを強制的に絞り込むもの。
シャッター・ボタンの下は、たぶんセルフ・タイマーでしょうね。メーカー関係なく、ここが壊れている物が少なくなく、下手に触るとシャッターが上がったまま降りず分解修理しない限り使えなくなりますから、スルーの方向で。
シャッター・ボタンとセルフ・タイマー・レバーは、それぞれエッジが鋭くて指が切れそうな感じすらします。この感触……記憶にあるんですよね。ええ。以前、FED5 という露西亜カメラを触ったときに、同じものを感じました。そう思うと、ボディに貼られてある合皮も FED5 のものと似ている気がしてきます。
メチャクチャ見覚えのあるマウントです。
試しに同じ店の安売りレンズの中からタクマーを持ってきて着けてみたところ、バッチリでした。そう。プラクチカ・マウントとは、国内では M42 の呼称で知られたスクリュー・マウントなのです。
つまり、このカメラにはタクマーやフジノンなど往年の国産レンズ群が使えるのです。そもそもプラクチカが、かつては実質的「国際共通マウント」でしたからね。
裏蓋を開けてびっくり! 金属幕の縦走りシャッターですよ!!
右側、フィルム巻き取り側の下にある邪魔っけな四角い黒パーツは、あとで知ったことですが「自動フィルム・ローディング」用の物だそうな。普通、マニュアル・カメラではフィルムの先を巻き取り軸に巻き付けてから裏蓋を閉めるのですが、これは裏蓋を閉じてから巻くのだそうです。それで、ちゃんとフィルム装填できるのだそうで。電動モーターによるオート・ローディングでは当たり前のことですが、手動巻き上げで実現するとは凄い工夫ですね。
そろそろ、知らない人にも正体を明かしましょう。
はい、このとおり。
「ペンタコン」とはカール・ツァイス・イェナのカメラ用ブランド。
「G.D.R.」は独逸語なら「D.D.R.」になります。邦訳では「ドイツ民主共和国」。なんで人権のない国って「民主」を国名に入れたがるんでしょうね。
そうです。東独逸のカメラでございました。
それで、最初に感じた軽さも理解できます。なにせ、件の国は東西再統合された後ですら、段ボール製の車が走っていたほどですからね。見た目に金属と思えたカバーは実はプラにメッキしているのです。いや、見事で綺麗な加工ですよ。これは騙されます。日本だとリコーXR500 とか、ペンタカバーがプラであることを堂々と主張してるんですけどね。
ちなみに私たちの通常認識としてコンタレックス、ハッセル、ローライ、ヤシカ・コンタックスや京セラ・コンタックスなどで馴染みのあるツァイスは、カール・ツァイス・オーバーコッヘンです。こちらは西独逸。
もちろん、現在ではお国同様、再統合されてますよ。
というわけで、もともと外国製カメラに縁の薄い妖之佑にして初の東欧カメラでございました。
調べたところ、この MTL5 は 1983年に出たそうで。同じ頃、日本じゃニコンの FM2 とかが出てたですよ。て言うか、スクリュー・マウントそのものが日本……いえ西側では 70年代で終わってたと思うのですよ。さすが東欧!
ボディだけでは締まらないので、手持ちの中から相方募集中だったスーパー・タクマーさんにお出ましいただきました。けど、135mm だと、やっぱりシルエット的にアンバランスですねぇ。もう少し太短いほうが似合いそう。
理想は、やっぱり東欧レンズですが、さすがにジャンクで出ることなんてない。とすると、むしろ国内の怪しい(笑)ブランドの M42レンズがあれば似合うかもです。
気長に探しますか。
ペンタコンと言えば「ペンタコン6」なのですよねー。
あれも存在感が魅力的で欲しいのですが、こちらでは中古店でお目にかかれない。以前、銀座に行ったときは山ほど見たので、東京だと入手しやすいのかもですね。
まー今はお金がありませんから、買うことも上京も、ままなりませんけどねー。
でも欲しいな(笑)。あれと、ペンタックス67(旧型)とを並べて飾りたい♪