プロのお仕事ですから、最終回を最終回らしく作るのは、お手の物だと思います。
つか、グチャグチャにしたうえで「数年後」の平穏を描けば、誰でもエピローグを作れますよ。平成ライダーで御大がよく使った手でもありますし。
なんつーかなー。
ずっとヤクザ映画だったのが、急に普通になっちまってる。
そんな最終回だったと思います。少なくとも、あれはヤクザ映画の終わりかたじゃない。ヤクザ物をやりたかったのなら『ONE PIECE』でも読むか観るかして勉強したらよかったのに。
いやまあ、ユージンたちがクーデリアのことを「お嬢」と呼ぶあたりはヤクザのまんまだし、ライドたち何人かはガチのヤクザになっちまってるっぽいけどね(ノブリス、ザマァ)。
ガンダム作品ですから、地表にダインスレイヴの束を打ち込まれて火星のテラフォーミング中だったアルティメットガンダムが怒りでデビルガンダム化しアリアンロッドに襲いかかる……とかの超絶展開を期待したのに残念です(笑)。
それは冗談ですが、けっきょく新たなモビル・アーマーは出てきませんでしたね。ジュリエッタも何ら新兵器・新機能を使うでもなく。何という肩すかし。
ラスタルによるギャラルホルン解体が、マクギリスのせいで弱体化(セヴン・スターズ欠員続出の件ね)したからなのか、前々からラスタルとしては解体を考えていたのか。それが判らないため、あの地球側代表としてのラスタルの真意が見えません。見えないのに、あの穏やかな態度、思いっきり気持ち悪いです。いくら「ヒューマン・デブリ問題のことは心を痛めていた」と言ったところで、鉄華団を「宇宙ネズミ」と呼んだラスタルを信用なんて、できゃせんだろ?
ああ。ラスタルはクーデリアの側近たちが鉄華団の生き残りだと知ってますよ。それも争乱後にテイワズと話し合いする前から知ってますって。包囲・攻撃した時点で、連中の何割かが生き残ることを想定済みだったはずです。ラスタルが欲しかったのは対外用としてのテロリスト根絶ですから、連中が戸籍を変えて生き延びても何ら問題ない。本気で全滅させる気なら、ノブリス同様に、アドモス商会を見張らせていたでしょう。いや、ノブリスの手下を監視くらいは実際してたかもしれんな。
行く行くはラスタルの後継者と目されているジュリエッタが、バルバトスの首を取った自らを道化、見せ物と理解していたのは、多少の救いとなりますかどうか。
ところで、ガエリオはずっと車椅子生活なんですね。手足の伸びたアトラ(唯一の眼福ですな♪)やアカツキの推定年齢からすると六、七年は経ってそうですから、これはもう完治不可なのかもな。ま、世話女房がいるから、いいでしょう。
イオクは死んだんだよな? 生きてないよな? まさかエピローグのどこかに画面の隅っことかにいなかったよな? いや、あの状況での生存って、公園前派出所の巡査長の例があるからサー、油断できんのよ(爆)。
にしても、あそこまでバカやらせるなら、イオクは生き残らせたほうが不条理さマシマシで、むしろよかったのにね。まあ、制作から昭弘への、せめてもの褒美だったんだろうけど。
けっきょく。
敵側の大半が勝ち組。
仲間の多くが死亡。主人公も死亡。
という、こっち側が完全敗北するというのは冒険的な物語と言えました。
『太陽の牙ダグラム』が似たような感じでしたな。
ゲリラ→反政府軍→解放軍→反乱者、という道を主人公たちが進んでいる中、敵側の黒幕が雑魚に暗殺(と言うか実は私的恨みからの突発事件)されて、反乱者への追撃がうやむやのまま消沈。惑星デロイヤの政治的解放が結果的に前進したという。
火星の今後はラスタル次第な気がするし。
蒔苗先生の後を継いだアレジさんは、どうにも頼りなくて。
まだまだ安心など到底できませんが。
闇墜ちしたライドたちがクーデリアの足を引っ張らないといいのですがね……。
マクマードさんはチェスが弱い。
最後の収穫でした♪
あー、そろそろプラモ作り始めるかなー。
(外伝のガンダムフレームが四月に出るそうな)