下弦、霜降、小つち (旧暦 長月廿三日)

 高岡拳太郎がかつてイエローデビルを名乗っていたと自ら明かし、しかもその中で「タイガー・ザ・グレート」の名まで出た。この部分はアニメ版準拠です。
 が、一方でミスターXのご壮健が確定してしまい、こちらはアニメ版と矛盾します。ついでに、伊達直人が子供たちのための遊園地建設を目指していたこともはっきりし、漫画版準拠となっています。
 やっぱり、アニメ版と漫画版のハイブリッド続編ですね、『W』は。
 都合の良いこと、しやがって。





 タービンズと同格、つまりテイワズ直下になったことで、ますますヤクザ屋さんの色が濃くなった鉄華団。それを判りやすく表現したエピソードだったと思います。
 事前に公僕とナシをつけておいたうえで、「おとしまえ」として、あのおっさんを始末する。なんてーのは、まんま怖い人たちのケリの付けかたですから。

 ここで気になったのは、それを暗に知ったクーデリアさんの反応でしょう。
 前期で何も知らず綺麗な理想だけを口にしていた嬢ちゃんが、最前線でいろいろ知らざるをえなくなった。その結果を受けての、あの、あっさりした反応ではあるのですが。
 それは「知った」ことによって、他人の命に対して「鈍感になった」とも言えるわけです。リーダーであるオルガとしては、おっさんを始末するのは仲間たちへの手向けとしても当然の結論。でも、第三者視点で考えれば、命まで取らずとも、前期のCGS社長みたく強制労働場に送るって選択肢もあるのです。
 そういう方向を考えもせず、ただ「また彼らの手を血で汚してしまいました」の言葉だけで片付けるクーデリアさんは、言ってしまえば、また一歩、施政者に近づいたとも言えるワケ。始末しない方向での解決ではなく、そういう事態に至らない前段階での方法を模索するという点では、オルガよりも大きな視野で考えているのですからね(奇しくも、名瀬さんが心配していたオルガの苦手部分に該当する)。
 これが意図しての演出であれば、行く行くはクーデリアさんは鉄華団と袂を分かちますよ。好き嫌いの感情を別にして、理想実現のための選択をしそうでね。
 そう考えると、アトラとの会話にあった“隠居したら一緒に農場仕事”って「素敵な提案」が、すっごいフラグに見えてきますね。

 まあ、素人の手前勝手な無茶予想ですよ。ええ。