天しゃ (旧暦 葉月十七日)

 その後の、0号機実験結果。

 ダメでした。

 いや、可能性が、あるにはあるんですよ。とにかく、マグネチック・イヤホンでは、はっきり聞こえたという事実もあり。なら、その上も行けると思うのは普通の思考ですよね。
 ええ、そうです。次なる目的は、ゲルマニウム・ラジオでスピーカを鳴らすことです(繰り返しになりますが、実際に鳴らしておられるかたがたは枚挙にいとまがない)。

 トランスもマッチングが取れるよう、ST-34 と ST-81 を手に入れました。本当なら、一次が数十k〜数百kΩで二次が8Ωというトランスがあれば、それ一個でいいんですけどね。ない……と言うか正確には手に入れてない(ある所には、ちゃんとある。ただ、まだ入手の手配をしていない)から二個をつないでるワケで。
 で、スピーカ・ユニットも、小型のわりに音圧レベルが 90dB という数値だけ見ると高効率な代物を手に入れました。

 しかし、失敗しました。
 とは言え、スピーカに思いっきり耳を近づけると微かに、本当に微かに辛うじて聞こえます。

 ここから考えますと。

※1 妖之佑の環境では無理。

※2 スピーカ・ユニットの選択をミスった。

 の二つの結論が導き出されます。
 1は考えたくないので、2の方向で、しつこく引き続き試してみようと思います。
 とりあえずは、能率の高いスピーカ・ユニットですね。それを、ちゃんとした箱、あるいはホーンの類に入れてやる。これで鳴ってくれるかもしれません。
 巷では、トランペット・スピーカなる物で鳴らしておられるかたも、けっこうおられますが。そんなん現物を見たこともないし、手に入ったとして置き場所に困るし。まあ、興味がないかと問われれば「もちろん、ある」と答えますけどね(笑)。

 で、「ちゃんとしたスピーカ・ユニット」ってのが曲者でねぇ。
 これって要するに「Hi-Fi 用」ってことになるんですよね。しかも、今流行りの低能率ユニットは却下。
 つまり、それなりのお値段とサイズになる。
 たかがゲルマニウム・ラジオに、そこまでやるか? という声が自身の脳内から聞こえてきます。
 そこまでやっても良い音で聴ける保障なんて、ないぞ。という声も響いてきます。
 音楽聴く用にだって、まだ自作の箱なんて作ってないのに。という声も届きます。

 ということで、当分は思考実験の範囲で、あれこれ考えようと思います。
 なるべく嵩張らず、お金がかからず、それでいてある程度の能率を稼げる箱作り。
(百均のラッパも試したが、上手くいかんかった。つくづく蓄音機って、すげーと再認識)