さて、昨日の続きでございます。
なぜにテンションが上がらなかったのか。
その理由は0号機(日記9月17日付)の成果に尽きます。
0号機とループ・アンテナ(シャンテック電子製組立キット)との組み合わせが、妖之佑の環境では、かなりの良好さで。要するに、及第のラインに到達してしまったのですよね。
実際、0号機完成以降は、中波リスニングのほとんどをこれでやってます。イヤホンなので、もちろん部屋をウロウロしながら聴くのは無理ですが、PCいじりながらとかでアニラジ各種や『ラジオ深夜便』などは0号機で充分すぎるほどです。おかげで旧型ラジオやラジオカセットたちの出番が激減しました(苦笑)。
お判りでしょう。
0号機を越えると期待できる物でないと着手する気になれないのですよ。(;^_^A
まあ、0号機の欠点を挙げるなら、ループ・アンテナと組み合わせないとウンともスンとも言わないところ、でしょう。であれば、ループ・アンテナ卒業なゲルマニウム・ラジオに挑戦すればいいのですが……なかなか、ね。
以下、手前勝手な言わば思考実験みたいなものです。当然のこと、いつものとおりダラダラ無駄に長文なクセに、まとまりがなく中身空っぽです。
ので、畳んでおきます。
それを物好きにわざわざ開いて読んで「つまらなかった」「時間を返せ」っつっても文句は一切受け付けませんから(笑)。
ゲルマニウム・ラジオ(ゲルマニウム素子を使わない無電源ラジオを含んだ広義の意味)での受信性能を上げる方法(と言うか、機械全般の性能向上に言えることだと思いますが)として、
1:可能な限り無駄をなくしたうえで部品一つひとつの品質にこだわる。
2:機能向上の回路・仕掛け・設備を増設する。
の二極化になると思います。
銃器で例えるなら、単発にして命中精度を極めるか、連発・多弾倉にして総合火力を上げるか、というところかと。
バイクで言うなら、V2がいいのか直6がいいのか、みたいな感じなのかも。
機械全般でなら、この二つの真ん中で上手く折り合いをつけますが、ゲルマニウム・ラジオは無電源ゆえに余裕がさほどありません。なので、それぞれの受信環境を考慮して、どちらかに偏るしかないように思えます。要は放送電波塔に近いか遠いかでどっちか選ぶ、ということですね。
まずは、シンプルなほうを考えてみましょう。
ゲルマニウム・ラジオを可能な限り単純化すると、
となります。作るならゲルマニウム・ダイオード一個とセラミック・イヤホン一個と長〜い電線を買ってくればいい。
ただし、これは選局できないという代物です。とにかく一番強い局が入ってくる。あるいは複数局の混信状態か。もしくは、まったく何も聞こえないか(汗)。
これを「ラジオ」と呼んでいいものかどうか……それなら例の「喋るガードレール」もラジオってことになっちまいますし。(;^_^A
では、選局できる最も単純なラジオは?
となると、↓の構造になると思います。
コイル、ダイオード、イヤホンという三つのパーツにアンテナとアースをつないだものです。
アナログ式選局に必須のバリコンが、これにはありませんね。選局はコイルの表面をなぞる電導体の棒(鉄棒でも針金でもクリップを伸ばしたものでも、とにかく電気が通れば何でも可)を動かすことで、コイルの有効長(と言うかインダクタンス)を変えて行います。いわゆる「塹壕ラジオ」の構造と、ほぼ同じです。
選局用の棒の立ち位置によってバリエーションがあります。
試してはいませんが、どれも似たようなもののはずです。
ただ、実はこれではダメで。↓の構成が正しいのです。
可変コイルと並列にコンデンサがありますね。同調回路はコイルとコンデンサのコンビで初めて成立します。本当なら、どちらが欠けても、いけません。
ちなみに一般的な同調回路ですと、コイルは固定で、コンデンサ側が可変です。そう、バリアブル・コンデンサ=バリコンですね。実用性はともかく電気的には、どちらが可変でも問題なく、何なら両方可変でも良い。
コイル側を可変させる方式のラジオは、塹壕ラジオのような“やっつけ”だけでなく、製品にもちゃんとあったそうです。「μ同調」というヤツで、コイルの中にフェライト棒を据えて、それを出し入れすることでコイルのインダクタンスを変えるのだそうです。
他にもコイル側を可変させる方法はいろいろあるそうですが、複雑になって妖之佑の頭も熱暴走しますので、このへんで止めておきます。(;^_^A
なお、「なら、コンデンサのない塹壕ラジオは、どうして聞こえるの?」という疑問が当然出てきます。
何でも、回路を構成するパーツや導線などなども微量の蓄電能力があるのでコンデンサとして機能するのだそうで。なくても何とかなるらしいのです。
この情報を知って、回路図の数値に厳格にこだわることの無意味さを思い知らされましたよ。パーツそれぞれにも誤差があるうえに、まさか回路図に書かれていない見えない“コンデンサ”が実際の回路上に存在するとは! なら設計どおりに作っても、その数値は誤差だらけやん、とね。
アナログ、特にアナクロなアナログは、いーかげんでいいのですね♪
さてさて、気を取りなおしまして。
↓は、シンプル系の中で、もっとも一般的な回路ですね。
ウチの1号機も、この構成です。中波局の放送エリア内であれば、この回路で受信できるはず、なのです。
シンプルを突き詰めるとするなら、この回路でもってパーツを追及するということになると思います。
具体的には、バリコンにポリ・バリコンでなくエア・バリコンを使うとか、ダイオードをゲルマニウムでなくショットキー・バリアにするとか、セラミック・イヤホンを日本製にするとか(笑)、もちろんアンテナとアースをきっちり設置することも欠かせません(アースを使わず、しっかりしたループ・アンテナにすることでもOK)。
中でも、手作りラジオで作り手が一番干渉できるものがコイルです。マキマキですよ、マキマキ♪
聞くところによると、コイルの性能は、その直径に比例するそうで。要するに、直径の大きなコイルのほうが受信性能が良いとのこと。
いや、ちょっと考えれば、ループ・アンテナって要はコイルをデカくしたものじゃありませんか! 実際、シャンテック電子さんではループ・アンテナ・キットの説明に同調コイルとして使う接続方法も紹介しておられますし。
なるほど、そーゆーことでしたか。ってなもんです。
さらに、線材に太いものを使うほうが良いとか、単線の銅線よりもリッツ線のほうが良いとか、いろいろあるそうです。
さらにさらに、メーカー製ラジオではあたりまえの、コイルの中にフェライトの棒が入っているヤツね。いわゆる「バー・アンテナ」。
といったところで、同調コイルの突き詰めには二方向あるようです。一つはでっかくすること(究極は巨大ループ・アンテナ)。一つはフェライト・バーによる同調コイルのバー・アンテナ化(これもフェライト棒は太くて長いほうが良い)。
この考えを元に、ぐぐってみますと、やっておられるかたがたが、やはり大勢おられました。
その中で個人的に「これが現実的な範囲での究極かな」と思えたのが、以下の二つです。
一つは、フェライト棒を複数使って、立派なバー・アンテナを作る方法。
一つは、フラフープの中に LANケーブルを通してループ・アンテナや同調コイルにする方法。
ともに実践を公開しておられる所が複数あり、どなたが元祖か判りません。ですのでリンクは省略いたします。気になるかたは、ぐぐってみてください。
妖之佑も、この二つの方法を試してみようと思う今日この頃なのです。
次に。
複雑化する方向での性能追及について。
Web のあちこちで見かけたいくつもの回路から共通する要素を集めてみました。
この回路図そのもので作るわけではなく、追加要素を全部載せてみた形です。
実際には、この図からパーツをいくつか削除します。例えば、C4は要らないかも、コイルの一次と二次は接続しないかも、コイルは二次なしの空芯の手巻きにしようや、C1はなくてもいいんじゃね? というような感じで。
この図のキモはダイオードを二個使うところですね。倍電圧とか言うそうで。要は、検波を二箇所でやることによって出力を増やす意図のようです。なので、充分な電波が得られる環境限定となります。
実際、この回路に近い構成の0号機はループ・アンテナ以外では受信不可能です。1号機と3号機が東海ラジオを鳴らしてくれる AN-71 や簡易電灯線アンテナが、0号機では効果皆無なのです。
今、考えているのは、この回路図でダイオードをショットキー・バリアにしたら、どうなのかな? ということです。て言うか、近いうちに試す気ですが(笑)。
この他にダイオードを四個使う「ブリッジ」なる回路もありますが、妖之佑としては手を出す気はありません(今のところは)。
一個使いと二個使いで、どこまでできるかが当面の課題だと思います。最終目的は、無電源ラジオでスピーカを鳴らすことですからね。それも楽しめる音量で♪
といったところで今回の思考実験、いちおう終了します。