『THUNDERBIRDS ARE GO』
怖い物見たさ(笑)で観ました。
いえ。
旧作『THUNDERBIRDS』の大ファンとしては、マジで「怖い物見たさ」でしたよ。
で。
いちおう及第点。
かな。
ただ。
あえて鳴り物入りでリブートする必要は、なかったかな。
とも思う。
メカ・シーンのCGは頑張ってるとは思うけど。
イマイチ迫力が伝わってこない。
何と言うか、メカの動きがスムーズすぎて速すぎるんですよ。だから、4号やPODメカ以外のサンダーバード・メカに必須な「重厚感」が伝わってこない。要するに「おおっ、すげー!」って感じがしない。
旧作では、メカ・シーンにスローモーションを使うことで、この重厚感を演出していました。現実的にはありえないほどに、ゆっくり離着陸するサンダーバード1号2号のシーンは、それはもう迫力モノでした。て言うか、あれは今でも通用します(実のところ、『ゴジラ』作品など日本の巨大モノ特撮でも定番の手法ですよ、スローって)。
それと、これも中途半端なCGゆえの欠点でしょう。メカにウェザリングがなされていない。ここも、リアル感を損なう原因ですね。
リアルに描くことと、リアルに思わせることとは違うんですよね。以前、実写版映画の告知映像をTVで観ただけで私が劇場やレンタル店に足を運ばなかったのも、ここに理由があります。猛スピードで飛ぶサンダーバード・メカの綺麗な姿を観て「あ、こりゃダメだ」と感じたワケ。
旧作はメカ・シーンに予算を使いすぎて大変だったと聞きます。でも、だからこそ名作として今でも讃えられる作品になった。
リメイクするなら、旧作を越える執念をメカに注ぎ込んでほしいものです。でないと、リブートの意味なんて、ありませんよ(とは言え、今どきは「赤字覚悟」って姿勢は、すぐに上から止められるんだよなー)。
貶すばかりもアレなので。
1号は旧作同様にプールがスライドして露出する縦坑から発進するのですが。
発進の際に、プールサイドに置かれたビーチベッドが吹き飛ばされるという絵は、なるほどと思いました。この細かさは旧作にはなかった。
コックピットを離れても手首のコントローラーで操縦できるというのは時代ですねー。これなんかは良い意味で今の時代にやる意味のある部分。旧作に比べてはるかに宇宙ステーションしてる5号も同様。
あえて旧作のマリオネットに似せたらしい人物CGについては何も言うまい。これは民族性から来る感性の違いですから。
でも、ブレインズが、あの頭デッカチをやめてるんだよなー(話によると、設定上は意味のあった吃音も廃止されているらしい)。あと、おばあちゃんが、えらくアグレッシブな人になってて噴いた(爆)。
ジェフ・トレーシーの不在は、シリーズ通しての伏線なのだそうで。
う〜ん……風呂敷ちゃんと畳めるといいのですが。
悪党フッドの立ち位置も、旧作とは違うようで。
このあたりは、ある程度進んでみないと善し悪しは何とも言えませんから、今は肯定も否定もしません。
ただ、旧作の、あのとことん有能な悪者ぶり(判りやすく言うと、ルパン三世並みの実力者)にもかかわらず、最後にはペネロープ嬢の FAB1 に攻撃されて黒こげズタボロになるギャグ的結末は大好きでしたよ♪