先月、二夜に渡って全四話を地上波放送してくれてました、『怪奇大作戦 ―ミステリー・ファイル―』。
BS契約してないし、する気もサラサラないので観ることなど叶わぬと思っていただけに、これは嬉しい年末の贈り物でした。
第一話のOPクレジットで、三沢京助役がタイゾーさんと知り、いきなりハズレ感に襲われました(汗)。
いえ、原田泰造さんは、ちゃんと芝居のできる人なんですけどね。ですが、旧『怪奇大作戦』の三沢はSRIの中では(いちおう)二枚目キャラという立ち位置でした。『ミステリー・ファイル』キャストの中でなら、牧史郎役の上川隆也さんこそ三沢役に最適だと思ったのです。だから不安だったワケ。
事実、第一話ではコメディ調で進めてましたし、タイゾーさん周りだけ(苦笑)。
全四話を視聴して、↑の不安は取り越し苦労で済みましたし、内容的にも旧作を貶めることもなく、しっかりしたストーリと、丁寧な画作り(第一話とか、さりげなく鬼子母神の絵が1カットあるあたり、感心しましたよ)で楽しませていただきました。
また、第四話において、上川さんの演技にも納得、完璧な牧役だったと思います。
旧作に見られた怪奇事件にからめての痛烈な社会批判や人間批判も、ちゃんとありました。事件が終わっても、解決した感や達成感、勝利感を得られぬどころか、むしろ敗北感や無力感すら漂う虚しい空気も、旧作同様。
こういうリメイクなら、どんどんやっていただきたいですね。全四話なのが残念です。
それにしてもNHK、よくこれにOKが出たな。
百歩譲ってBSならともかく。これを地上波で流したのは正直、驚きです。特に第三話ね。
あえて内容には触れませんが(ご興味のあるかたはレンタルででも視聴をオススメいたします。観て損はないと思います)、全四話の中で特に第三話は、とにかく社会的倫理的タブーのメドレーで、これでもかこれでもかと叩き込んでくれましたよ。ぶっちゃけ、きつかった……。
ああ。
ホラー的な絵図が全然ダメというかたにはオススメしかねます。四話とも、わりとグロいです。
CGの進化のおかげですね。光学特撮なら費用がかさむうえに、今の感性で観ると、それでも痛い仕上がりになりかねないところを、CGだと、きちんと見られる画像になってくれます。「科学も進んでいるんです」ね。
ホント、昭和の特撮を観なおすと、不本意ながら弁護してもしきれない映像が多々ありますから……(苦笑)。
一点だけ文句を言わせていただきます。
本編の映像をリプレイするED。あれは安直すぎます。
旧作では、事件を象徴するかのような映像を選んでEDに使っていました。
新作も、あそこまで丁寧に作ったのですから、EDでも手を抜いてほしくなかった……。
ED曲を『Scarborough Fair』にした意味も、私には判りませんでした(こちらは、私の理解力不足でしょう)。