(旧暦 文月五日)

 今さら誰も驚きゃしない、笛木のカミングアウト。
 お気の毒に、メドゥーサだけが蚊帳の外でした(いや、晴人たちも驚いてたか……笑)。

 メドゥーサ退場ということで(ファントムが砂のように崩れたのは初めてだな。ワイズマンの能力なのか?)。
 ラスボスは笛木なのかソラなのかが残る未確定要素でしょうか。

 整理してみますか。

 笛木はワイズマンとしてファントムたちを操り、ゲートを襲わせていた。
 しかし、少なくとも晴人たちが関わった事件でゲートが絶望したケースはゼロ。
 この範囲においては笛木の罪は、せいぜいが殺人未遂か殺人未遂幇助(結果論にすぎませんが)。先生の事件で晴人が踏み外しかけた方向を笛木は迷わず歩いているってことですね。その罪滅ぼし、というか言い訳として晴人にウィザードの力を与えゲートを守らせた、というところか。

 一方のソラはと言うと。
 人間時代に、かなりの人を手にかけていた模様。それも猟奇的に。
 グレムリンとなってからは、視聴者の観る範囲では人殺しはしていない。

 ところが範囲を広げると。
 あの日蝕の日。かなりのゲートがファントムを生んだ、つまり死んだ。
 で、サバトを開いたのはワイズマン、つまり笛木。
 この時点で、すでに大量殺人を犯しています。

 順当に行けばラスボスはワイズマン=白い魔法使い=笛木でしょう。

 ですが、ソラの存在は、やはり無視できません。
 あそこまで瀕死でありながら、まだ生存しているからには物語上の役目が残っているはず(ヨロヨロしてるところを殺られると思いましたからね、メドゥーサ同様に)。
 ソラは笛木と同じく、人間だったときの記憶と外見だけでなく人格をも受け継いでいる。というか本人としては死んだ自覚はなくファントムに転生した、つまり変化したとは言え未だ人のつもり。
 そして、ここからが肝心。笛木と同ケースとなれば、ソラは笛木同様にファントムでありながら魔法使いの資格を持っている可能性が高い。
 よって、ソラがラスボスになることも充分にありえると思うのです。

 ソラは人のときから、すでに凶悪犯罪者だった。
 笛木はコヨミのために、あえて自ら罪人となった。
 どちらがラスボスとして適任でしょうね。

 ラスボスが最期に懺悔して良い人になる(あるいは、戻る)のは前作『フォーゼ』の我望理事長がそうでした。
 ラスボスを二人で役割分担というのは、さらにその前『OOO』のドクターとウヴァさんのケースがありました。
 とにかく読みにくいったら(笑)。