上弦 (旧暦 水無月九日)

 BOSE と言うと何を置いても、

 301 Music Monitor

 というスピーカを思い出さずには、いられません。
 20cm口径のウーファーを装備した小型のブックシェルフ横置き2ウェイ型。
 しかし内容が凄くて。他者の製品が瞬間最大入力 80Wとか、せいぜい 150Wとかだった頃に、最大 250Wを誇ってましたからねー。とにかくガンガン鳴らしても壊れない、頑丈さでダントツの品。
 日本における輸入スピーカのブランドと言うと、TANNOY 、KEF 、Rogers 、JBL 、ALTEC 、Siemens などなどありますが、基本、皆ピュア・オーディオのオシャレな高級機。なのに BOSE だけは、そんな育ちの良さなど関係ねーと実用一点張りの無骨なデザイン。ある意味、最もアメリカらしいスピーカ。
 特に 301MM と弟分の 101MM は、その小型さとオプションの豊富さゆえに設置が自由で、店舗の BGM 用などに今でもよく使われているはずです。
 大型の 901 などはPA機器っぽい扱いでしたかねー。
 個人的に興味がありながら一度も音を聴いていないものに 501x 、501z がありまして。四つの超小型ユニットと一つのスーパーバスという組み合わせで音場を再現する。これぞ「間接音こそが重要である」とする BOSE理論を具現化した最たる製品だと思いますよ。

 本格的なオーディオ趣味が下火となっている最近の日本では、オール・イン・ワンの高級なCD再生機で有名なのかもしれませんね。

 日本のオーディオ・マニアからは、いささか異端視されていた BOSE製スピーカ群ですが。
 それでもボーズ博士の功績は偉大だったと思います。

 R.I.P.