下弦 (旧暦 閏弥生廿三日)

 V-7
 『地球ナンバーV-7』
  横山光輝/講談社漫画文庫


 先の『ジャイアントロボ』を読んだ影響で。
 長年、気になっていた作品をようやく見つけました。

 断片的記憶しかなく。
 どこから単行本化されているかも判らず。
 つか、そもそもタイトルも憶えておらず。

 記憶のカケラから拾い上げた「火星」と「超能力者」という二つのキーワードだけを頼りに調べました。

 いやー、Web って便利ですねー。
 わりと簡単にタイトルが判りましたよ。マニアのかたがた様々です。

 ただ、この本。現在は流通していないらしく、あの尼でさえ新品の入手はできない状況です。
 本家、講談社の通販サイトでも「取り扱っていない」という表記……。
 むー。

 しかし、今どうしても読みたいっ!
 というわけで、古本で手に入れました。

 読んでみて、私の記憶は、かなり正しかったのだと我ながら感心しました。
 そして。
 面白い!!

ジャイアントロボ』+『V-7』≒『バビル二世』

 という計算式が成立する。
 そんな作品です。

 主人公の V-7 ことディック・牧は、バビル二世を思わせるほどの万能超能力者です(劇中、「エネルギー衝撃波」という用語まで出てきましたよ♪ まあ、V-7 が元祖ということですね)。
 その V-7 が次々と襲いかかる超能力者の刺客と闘う物語。
 あー。『バビル二世』よりも『その名は101』に近いのか、むしろ。

 詳しくは申しませんが、横山さんお得意の忍者モノとも雰囲気を共有する作品です。



 ところで少しだけ文句も(苦笑)。

 この本ね。
 カバーの裏表紙面にね。
 物語の粗筋がね。

 結末まできっちり書かれているのですよっ!!!!

 講談社の編集は何考えてんだ!?

 これ、「横山光輝SF傑作選1」と銘打っているので、おそらくはこのシリーズすべて、この酷い仕様だと思われます。
 もしもこれからこのシリーズを読もうというかたがおられましたら、どうかくれぐれもご注意あれ。