(旧暦 皐月三日)

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 『ビッグX』全三巻
  手塚治虫/集英社文庫


 これも、きちんと全話を読むのは初めて。
 つか、この頃の作品って、どれも摘まみ喰いレベルなんだよなぁ。『ブラック・ジャック』と『009』と『バビル二世』くらいか、最初っから気合い入れて全話読んだのは(とは言いつつ『BJ』と『009』は何話か欠かしてるけどね……汗)。

 摘まみ喰いの頃の認識として、ビッグXは世間から怪物扱いされる、いわばアングラのヒーローでした。
 その印象というか記憶は、ある程度は合ってましたが、後半になって公的機関に所属するというのは……違和感ですね。どうしてこうなった?
 生物を巨大化・強大化する薬「ビッグX」。これを兵器として求める者たちによる争奪戦というのが物語の軸であり、そこは最後まで貫かれました。
 ただ、最終話は何と言いますか投げっぱなしジャーマンで、どうにも収まりがよろしくない。ひょっとして、打ち切り?
 主人公・昭のライバルと言えるハンスも、その最期はぞんざいな扱いで残念でした。彼には最後の最後まで、しぶとく昭に対峙してほしかった。そう、バビル二世に対するヨミのように(アニメ版では最後まで登場したらしい)。