一粒万倍日、不成就日、博多どんたく (旧暦 弥生廿五日)

 シュロー一行&カブルー一行と別れて、ふたたび四人だけに……ならんかった、いろんな意味で。

 これも原作屈指の爆笑エピソードですわ♪

 ファリンによる兄さん自慢の伏線回収ですね。
「犬の鳴き真似が凄く上手い」
 ってドヤ顔のアレ。
 背景に流れる犬たちに、ちゃんと名前が付いてる♪
 あれ、ガイドブックに載ってるヤツだわ。

 シェイプシフターを九尾の狐ならぬ九尾の狸にするあたりが、九井さんのセンスです。
 一捻りすることで味が良くなるわけですね♪
 いや狸でしょ。尻尾丸いし、化かすのに葉っぱ使ってたし。
(※ 世間では狐も葉っぱってことになってるけど、実は狐が化けるときに使うのは髑髏なんだぞ。しかも、化かす相手の眉毛の本数を数えるのだ。だから「眉唾」という言葉がある。言葉の由来? それくらい考えてごらんな)

 偽物たちも決しててきとーでなく、誰の記憶による偽物かというところから一人ひとり、きちんと造形されています。
 早々に偽ライオス全員を隔離できたのは僥倖。つか実に判りやすい。異常にノッポさんは小柄なチルの視点、まんまファリンなのはマルシル視点、で目が変なのは……いやセンシ、あんたライオスのことそんなふうに見てたんかい(笑)。
 他の偽物は悩むところですが、一人だけ。あのケバくて「魔法使うわよっ」と脅してくるマルシルは、魔術嫌いなセンシの視点に違いなく。
 もう一人挙げるなら、もともと童顔なチルですが、さらに子供っぽいほっぺたのチルも、チルを子供扱いするセンシ視点。
 魔術書がお花畑のマルシルは……チル視点かなあ? ライオスは魔術師としてのマルシルを信頼してるから。
 こーゆーところは失礼ながら、あの手塚先生でも石ノ森さんでも、けもさんでも、偽物はひと山いくらで、てきとーに流しますよ絶対。
 この丁寧さが九井さんの作風であり魅力です。
 ちなみにオイラは全問正解できなかった。口惜しい(正解が、ガイドブックに載ってるのだ)。

 それにしても、ライオスの論理的魔物分析は流石としか。
 バカじゃないんですよね、ライオスは。
 けっきょくは本物の仲間も当てたし(迂闊さが逆に本物らしいってマルシル評、いいね~♪)。

 そして。
 足抜けしたアセビ再登場。
 いや「平和的に話し合い」する態度じゃないぞそれは。