北野天満宮梅花祭 (旧暦 睦月十六日、賽日)

 おー。
 タンスじーちゃんの声、井上さんスか。
『夏目』のニャンコ先生でも、かなり攻めたキャスティングだと思いましたが。あれから十数年、いよいよ爺さんの声やるほどにベテランさんなんだなあ、と何やら感慨深いものが……(『AGE』でも爺さんやったけど、あれは特殊すぎる爺さんだから別枠ってことで)。
 タンスじーちゃん、ホント良いキャラなんですよねー。

 負傷したマルシルをレバー攻めにするシーンが、原作を巧みにブーストしてて笑えます。
 つーかライオスよお、「先に頂く」とか言わずモモも喰わせてやれよな。
 モモ、バラ、ヒレ、テール……喰いたいですよね怪我人だって。
 ケルピーの肉あれこれが旨そうに見えるから始末が悪い(笑)。そもそも魔物に実体があって倒せば捌いて喰える、って発想がもうね。凄すぎると言うか何と言うか。RPGで倒したモンスターは、そのまま消える。で、運が良いと何かドロップする。しかし、“現実”のダンジョンではモンスターは何も落とさないのだよ、モモンガさん。

 体拭くシーンでマルシルが思い出してた離脱組二人。
 原作第一話では、わりとコミカルに描かれてました。たぶん、あの頃は作者さんも、そこまでプロットが固まってなかったと思えますね。だから軽く流してた。
 で、この話では、二人がPTを抜けたときの表情が、きちんと描かれていました(アニメも、そのまま)。
 弁護するなら。第一話の比較的コミカルな描写はチルチャックの主観で、今回のシリアスな描写はマルシルの主観、ということは言えると思います。
 ナマリの「生活がかかってる」は実は、かなり深刻で。だからこそタンスじーちゃんのオファーを絶対に逃したくなかった。この事情とやらは、後のエピソードでダイア(全滅担当PTのドワーフ女子)が概要を話してくれます。
 シュローが離脱した理由も、これまた後で判ります。
 ホント、きちんと組まれてるんだよなあ、この作品。

 魔術学校時代の回想、マンドレイクの説明シーンで犬が自分の運命を知ってるみたいな泣き顔してて……むせる。
 こうしてアニメになったのを観ると、“成績優秀なんだけど使えない頭でっかち”というマルシルの属性をあらためて認識します。後のエピソードでリン(全滅担当PTの魔術師)が言ったように「教科書通り」の「優等生」なんですよね、マルシルは。対して、ファリンは理論完全無視のフリーダムな実践経験派。真逆だから馬が合ったんだろうなぁ二人。ファリンから学んだわりに、マンドレイク採取のとき教科書頼みが全然改善してなくて苦笑モノですが。
 ファリンによる「犬のモノマネがすごく上手い」という兄さん評は、もちろん後々への伏線♪

 瓶詰めにした魔力の中に精霊を入れて微調整して密封、内部だけで循環させるのが人工ダンジョン。
 ってのがもう本当に理系脳の産物で。