一粒万倍日 (旧暦 神無月廿四日)

 またまた“失礼クリエーター”による作り話ですかね。

https://news.yahoo.co.jp/articles/042dde525a103d72f6b6954f33f826cc3e314962

 こんなデマ話、聞いたことないよ。
 記事タイトルにある「一生の恥」とは、こーゆーふざけた記事を書くことこそでしょ。ライターは恥を知るべきです。

 もしもこれが古いしきたりだと推測するなら、それは腕時計ではなく懐中時計の時代のマナーだったのかもしれません。
 懐中時計は取り出さないと時刻を確認できない。で、式のさなかに時計をわざわざ取り出して見るなら、それはさすがに失礼と言える。
 それでも、懐に入れているだけなら判らないのでマナー違反もクソもありません。ですから、懐から取り出して時刻を見る行為がマナー違反とされたのが、いつの間にか式場に時計を持っていくことが失礼と変化してしまった?
 であれば、今の主流は腕時計なので問題ないはずです。腕時計は持ち歩くものではなく身に着けるものですからね。謂わば服装のパーツ。

 ま、あえて言いますなら。
 服装に合わない時計は着けない。
 に尽きるんじゃないのかな。マナー以前に感性として。
 ビシッと決めたスーツの手首に、ごっつい樹脂製のGショックやプロトレックではバカ丸出しでしょ。Gでもメタルならいけるかもですが、押しが強いデザインはNGかな。
 逆に、カジュアルな服OKな式場では、高級ドレスウォッチがミスマッチになりますし。
 要はコーディネートのセンスが問われる、と言うほど大袈裟ではなく、状況に合わせてってことですね。
 ただし、一見するとミスマッチでも、絶妙な組み合わせってのはありえるから難しいところではあります。

 別のケースですが。
 ネクタイ着用のビジネス現場でGショック等々は是か非か。
 って議論もありますよね。
 個人的には、樹脂ケース樹脂バンドは避けたほうが無難だと思います。基本形であるスピードモデルあたりなら、スーツの色合いによっては似合うかもですが、上司受け……はまあいいとして、取引先に与える印象は考慮しないと、ですからねぇ。
 Gでなくチプカシ、それも地味なメタル風ケース&メタルバンドなら無問題だと個人的には思います。これもまあ、五月蠅い取引先だと「仕事の場にデジタル時計なんて失礼だ」と言いかねませんが(汗)。
 逆に、オメガやらロレックスやらグランドセイコーやらを着けてたら取引先がひがんで商談潰された、なんて話もありえる?
 難しいですなー。
 さらに逆に、無難路線で安い国産のドレスウォッチ着けてたら「心根の安い相手とは取り引きしない」と言われた、なんて話も?
 難しいなー。
 ま、オイラはそもそも営業不適格者でしたから、早々にレールから外れた人生歩んでますけどね。だから全然、気にしない。つか相手の腕時計なんてジロジロ見ねーし。
 ちなみに、クリントン米大統領(当時)は就任の場で、スーツにタイメックスのアイアンマン(樹脂ケース樹脂バンドのトライアスロン用スポーツ時計)を着けて、見事にマッチさせてました。まさに着こなしの勝利。

 私が個人的に最悪の組み合わせと常々思っているのは。
 大相撲の関取が紋付き袴に金時計。
 あれはダメ。弁護できないほど酷すぎる。

 そんなあれこれをつらつら考えると。
 井之頭五郎さんのタグホイヤーは、完璧にマッチしてますよね。
 五郎さんが着けると高級時計でも一切、嫌みがない。
 演者である松重さんが使いこなしてる(ドラマの早いシーズンでは私物を使っておられたそうな)、ということもあるのでしょう。似合う人は羨ましいです。