さらに、ひつこく(笑)。
天照大御神にも“謎”が。
ご存じのとおり、天照大御神は高天原の最高神であり、須佐之男命の姉上でもあります。
そう。
組織のトップが女性なのですよね。
不思議に思われませんか?
いえ、ここだけを見れば別段、不自然でもないのかもしれませんが。
でもね。
八百万の神々の親である伊弉諾命と伊弉冉命の國作り。
このとき、女性である伊弉冉命から誘いの言葉をかけただけで子作りは失敗、できそこない(蛭子と淡島)が産まれたのですよ。
で仕切り直し、伊弉諾命から誘うことで、神々を産むことに成功した。
最初っから男尊女卑なのですよ。
しかも、この後、事故で亡くなった伊弉冉命は黄泉の怪物となってしまいますし。
そして、神の血を継ぐとされる歴代の天皇に女性が極めて少ない。
などなどの見事に日本らしい性差別。
なのにトップが女神?
訳判りません。
実は実は。
アマテラス男神説
というのがありまして。
要するに。
日本でも、本来の太陽神は男性だった。
それが古事記の編纂に際して、女神に変えられてしまった。
我々がよく知るところの女神アマテラスは、実は男神である天照大御神に捧げられた巫女であって、我々は巫女を拝んでいる。
という解釈ね。
あるいは、あの女神は天照大御神のお世話をしている豊受姫命(伊勢神宮外宮に祀られている神様)の姿である。
とする説もあるようです。
ともかく、本来の太陽神は他の国々と同じく男性だった。
では、なぜに女神にしたのか?
判りません。
あるいは邪馬台国のゴタゴタを教訓に、トップを女神にすることで国家の平穏を託したのかもしれませんね。
ちなみに、伊弉諾・伊弉冉のご夫妻よりずっと遡る原初の神々は性別なしです。
このあたりも、ガイアの親がカオス一柱とするギリシア・ローマ神話と似てますよね。ホント、日本神話とギリシア・ローマ神話は、あれこれが似てる似てる。
ついで話。
永野護さんの『F.S.S.』は、この“アマテラス男神説”を元にしたかもと思ってます。
少なくとも、『F.S.S.』のアイデアノートを基盤にした富野監督の『エルガイム』、あのポセイダルとミアンの関係は、アマテラス男神説を元にしていると確信してます。