庚申 (旧暦 神無月廿三日)

 男鹿での『ブラタモリ』。
 なまはげの話が興味深かったです。

 地質には五月蠅いタモさん、民俗学方面には興味が薄いご様子で。
 なまはげが年越し要員だと、ご存じなかったのは意外です。これ、常識ですけどねぇ。
 妖之祐がいつも申していますとおり、なまはげはサンタと同じなんですよ。年の変わり目に人家を訪れて一年の総決算をする。それが「よぐねー子はいねがーっ」であり、「ほっほっほー、良い子にプレゼントを」なのです。
 ちなみに、これも日記で何度も申してますが、基督教に取り込まれる前のサンタは赤黒のコンビで、赤サンタは良い子に袋からプレゼントを出してくれ、黒サンタは悪い子を袋に入れて連れ去ってしまう。今でも独逸には残っているそうですね、この赤黒サンタの伝承。
 洋の東西を問わず、年の変わり目に人(子供)の成績判定を神様(精霊)が行うというのは面白いものです。

 さてさて。

 なまはげ ← なもみはぎ ← なもみをはぐ

 そのままストレートに「なもみたくり」という神様もおられますし。
 なもみと同義の言葉「あまめ」からの「あまめはぎ」という神様もおられますし。
 さらにはトシドンとかも含めて、年越しに家々を訪問してくださる(顔のデカい)神々は日本各地に多々おられます。あるいは、なまはげが元祖となって各地へ伝播したのかもしれませんね。

 そんななまはげの歴史が、せいぜい江戸時代からというのは意外中の意外でした。
 そんなに浅かったのかー。

 なまはげ露西亜人説は、それほど突飛でもなく。
 もっと古く、土蜘蛛や酒呑童子が渡来人ではないかという話や、それよりもっと古い(主に鉄に関わる)山系妖怪も大陸や半島からの渡来人、さらに鼻高の天狗さんも漂着した西洋人を村の人々がバケモンと誤解したんでねーか説もあります。
 滝沢馬琴が編纂した『兎園小説』の中の「虚舟の蛮女」(江戸のUFO事件と言われてるヤツね)も欧米人が漂着したものであろうとされてますね。
 漂着と言えば蛭子や少彦名命といった漂着神。
 さらに、高天原の軍勢は大陸からの侵攻である、という話は手塚先生の『火の鳥 黎明編』に詳しく。
 それぞれどこまで本当かは判りませんが、鉄に関わる山系妖怪が渡来人説は、かの柳田國男が唱えているため信憑性は高いかと。

 オイラは地形より、こっち方面に惹かれるですよ。
 タモさんが、なまはげをもっと掘り下げてくれないのは不満ですわ(笑)。