『ラーメン大好き小泉さん 11』
鳴見なる/バンブーコミックス
本を開いて、いきなりラーメンに埋没するソフトに驚愕した。
あれで正式なメニューとはね。しかも、ケーキver. もあるとはね。
何でもアリやなラーメン業界。
何と一年半ぶりの新刊。
待ちましたよ。
自由研究とは「やるもやらないも自由」って発想は無かったわ。美沙すげーな。
あらたまって「味変」なんて言うから、ややこしいのです。
かけ蕎麦たぐってて、途中で七味をパッパするのも。
月見蕎麦たぐってて、途中で黄身をつぶすのも。
みんな言ってみれば味変ですから。
山奥の辺鄙なラーメン屋に行くためだけに、二輪免許とバイクとメットとライダースーツを揃えたんだよな、あれ。
下校時に思いつきで長崎に飛ぶとか、そこでうっかり一泊するとか。
校内の空きロッカーに着替えをズラリ隠してあるとか。
小泉さんはラーメン代よりも交通費等々の諸経費のほうが桁違いで怖い。
「ヤベー女」なのは、まちがいない。
絢音さんを見下ろす小泉さんの目が、悠を見るときのそれとまったく同じなのが笑えます。
やっぱり大澤一族なんだなあ、と。
つまり日頃の言動をあらためれば、悠にもワンチャンある?
まあ、観察日記書いたり自転車でバイク追跡してるうちはダメだろうけどなー。
佛間にまで、お客を通すとは、凄いラーメン屋だな。そりゃ自宅感もハンパないわけです。あの店、五郎さんにも行ってほしいなあ。
「存在しない家族との思い出」というのが気になって気になって。
普通に解釈するなら、夢の中でイマジナリー家族と過ごしてた、ってことですが。
他の解釈をするなら、今の小泉さんは天涯孤独、というのも成立するわけですし。
もっと突飛なら、小泉さんは元々が母胎から産まれていないホムンクルス、小泉さんは地球調査に飛来したジョーンズの同類で BOSS ではなくラーメンにハマってしまった、などなどSF系すらありうる(笑)。
そもそも、あれだけの大金をラーメンのために注ぎ込んでて。収入はどうなってんだ? と小一時間。
定休日を失念してラーメン屋の前で行き倒れるあたり、超絶セレブとはとーてー思えない。
あれだけラーメンに時間を割いているので、バイトしてるとも考えにくいし。
個人投資でもやってるのかな? でも、小泉さんは案外と抜けてるので、シビアな投資に向いてるとは……。
ちゃんぽんについて語っていただけたのは助かります。
長年の疑問が解消されました。
読み終えて。
あとがきも読んで。
やっぱり作者さんのご健康が、外野席ながらに気になります。
歳を重ねてラーメン欲が衰えないのは、それはそれで良いことですが。
過ぎたるは何とやらですよー。
余談ですが。
この本、買って読んでて、背の天側が潰れていることに気づきました。
よおーく見ると見開きしての奥の方にまで、外側からの潰れが到達しています。カバーも角が少し破けてました。
大きな荷物の段階で落として床にでも打ち付けたのでしょう。あるいは業者がトラックの荷台から常習的に放り投げてるのかもしれません。その荷物の角に、この本が位置していたのかと。
気分が落ち込みました。
いちおうは書店で必ずチェックはするのですが。
気にするのは、たいてい小口のほうで(折れてたりとかやられてるのは、こっち側が圧倒的に多い)、背側は油断しました。
落丁でも乱丁でもないので交換など無論、望みません。
買いなおそうかとも思いましたが。
読めないわけではないし、自分がこの本を見捨てるということは強化人士4号みたく廃棄だよなあ、と思うと……ね。
ともかく、チェックの甘かった自分の責任と呑み込みました。
ま、某尼でハズレを引いちまうと、こんなもんじゃないけどね。