組織が巨大で秘密主義な分、細分化されすぎていて、左手のしていることを右手が知らない状態になっていた。
だけでなく、とっくに頭部が消えているのに、それを知らない末端の指先は仕事を続けていた。カエルの実験であったよな。首を切り落としたカエルの背中に酸を含ませた紙を貼ると足がその紙を掻いて取り去る、ってヤツ。
『キノの旅』も思い出しましたよ。延々と線路を設置し続けている作業員と、延々と線路を磨き続けている作業員と、延々と線路を撤去し続けている作業員が、それぞれ互いの存在を知らない。という空しい話。
黒幕のヒントは、ちゃんと示されてたんですよね。
ホームズの言うとおり。爺さん爆殺の犯人は当時、署内にいた者に限定される。つまり、MI6 と同じだけスコットランド・ヤード職員も怪しいことになる。
十年前の事件の犯人は、ワトソンの見知った人物に絞ることができる。
でもって、覆面暗殺者の目。そしてその周囲の灰色の肌とシワ。似てるのは気づいてたんですよ、バカなオイラでもね。巷のアニヲタは声で確信してたようですが。
でもなー。
それはないよな。
と意識して排除してました。
レストレードという名は悪人に使っちゃあかんでしょ。
それは、ワトソンを悪役にしてはならないのと同レベルです。
ドイルのホームズ物において、ホームズの相棒は誰か?
ほとんどの人がワトソンと答えるでしょう。
でも違うんですよ。
ホームズにとってワトソンは無二の親友。
だからその流れで相棒的ポジションにワトソンは立っているけど、でも諮問探偵の仕事を手伝うには、ワトソンの実力が不足しすぎている。体術や射撃、観察・推理だけでなく、足は遅いし(戦地での古傷が原因)、嘘つくのも下手だし(純粋な心の持ち主だからね)。
と同時に、ホームズはワトソンを危険な目に遭わせたくないと常日頃から思っています。だから、重要な事件であればあるほど、ワトソンには知らせないまま捜査をしている。
では、相棒とは?
いや、相棒と言うのは適切ではないのですが。
ホームズが重要案件で協力を求めるのは、たいていがレストレード警部です。やはり餅は餅屋。捜査は警察。あたりまえのことです。
普段からホームズはレストレードのことを小犬のように騒がしいと小馬鹿にしてますが、それでも彼の仕事ぶりは評価しています。犯人を推理する知恵は無いが、事件の手がかりを教えてやると、それを見つけ出すだけの執念を持っている。それこそ、一度喰らい付いたら決して放さない小犬のごとくに。
貶しているようにも聞こえますが、ホームズにしては、かなりの褒め言葉ですよ。
そう。ホームズはレストレードをそれなりに評価・信頼しているのです。
だからなー。レストレードを名乗る刑事が事件の黒幕は……考えたくなかった。
個人的にはホームズ二重人格説を取ってたんですけどね。外したか。
ルパンを見送るシーンは『カリ城』のオマージュですね。
リリーの「追わなくていいんですか?」という質問に銭形が笑ったのは「いや、ヤツは何も盗んでいませんでした」ってことですよ。
モリアーティーは少年だった。
でも、ルパンは「古い知り合い」と言ってた。
歳取らない特異体質か? 見た目は子供、頭脳は……ってか? ルパンの知り合いの日本人に一人そーゆーのがいるが(爆)。
ホームズともども、第2クールにも出番があるといいですね。つか出るでしょ。端役にはありえないですから、中の人が。