一粒万倍日 (旧暦 霜月廿六日)

 ようやく溜め込んでたのを一気観。

「~Lupin III vs. Holmes~」なるサブタイトルが本気度を宣言してますね。

 初っ端からアルベールが登場したり、MI6 が割り込んできたりと飛ばしますなあ。
 シャーロック・ホームズの住み処が、あのベーカー街221B で大家がハドソン夫人。
 ただし、ホームズは血縁ではなく何かの理由での襲名らしい、か。ま、性格破綻者であるホームズが結婚できるわきゃないか。
「世界唯一の諮問探偵」を名乗るあたり、かなりこだわってますね。そう、あのシャーロック・ホームズは私立探偵ではないのですよ。少なくとも本人は「諮問探偵」を名乗っていた。
 ステッキにパイプ。拳銃はエンフィールドかウエブリーの中折れ。しかも体術がバリツ! どこまで、こだわるんだかもう♪
 おまけに、「ホームズ三世」を「まがいモン」とルパンに言わせるあたりも実に楽しい。第二期の安直なストーリや設定への反リスペクトかな。

 敵組織の名前は渡烏。
 で、銭形の部下が八咫烏
 関係ないとは思えない。
 でも、八咫烏は五期で怪しいところは無かった……よね?
 あからさますぎるということは、ミスリードか。

 猛獣狩りのモラン大佐に空気銃に教授とくれば、もう『空き家の冒険』ですわな。
 そのうちモリアーティーも出てくるのか、それとも「教授」は概念もしくは崇拝対象としてだけの存在か。

 今のところ、暗殺者の最有力候補は、MI6 の指揮官ですかね。第一話で大怪我した(ことになっている)野郎。
 もしそうだとすると、ニクスの出番があるかもしれん。

 コンバットマグナムがマグナム弾に向かない拳銃だと明確に触れた作品は、これが初めてかも。
 そもそも .38スペシャル用のKフレームを強引にマグナム用にしたのが M19 ですからね。ここはNフレームの M29(ハリー・キャラハンの愛銃)と .44マグナム弾との関係とまったく同じ。Nフレームは本来、.44スペシャルや .357マグナム用のもので、.44マグナム弾は、ちぃと荷が重い。だから、キャラハン刑事も普段はライト・ロードを使ってるわけだし。それを知ってかスタッフ、『カリ城』での次元には M27 を持たせてた(公式パンフの解説によれば、だが)。
カリ城』はともかく、普通ならとっくにLフレームのディスティングィッシュド・コンバットマグナムに持ち替えてるんだろうけど……とにかくルパン・ファミリーは銭形を含めて時代遅れのアナクロ人間揃いですからなぁ。P38 だって欠陥銃だし、M1910 は護身用レベルだし、人斬り包丁は言わずもがな。ガバだけだよ実戦向きで欠点らしいものが無いのって。

 押井脚本の二本は、さすが。
 つか、観てて凝りまくったストーリだなあ、と思ってED観て。ああそう言えば、六期に参加するんだったっけ押井さん、と気づいた。
 っちゅー情けない流れ。観ただけで気づかないのは某の不覚。
 第4話は、とにかくヘミングウェイ作品を知らないと半分も楽しめない。自分も浅学なので、「それはディナーなんです」のシーンは高橋葉介さんも『真琴・グッドバイ』で使ってたなー、としか(汗)。
 第10話は、博物学と聖書と、さらには占星術にも造形が深くないとチンプンカンプンで。細かなパーツが敷き詰められてて、判る人には楽しくて仕方ないと思う。
 押井節、健在というところですか。演出もやればいいのに。