(旧暦 長月十八日)

この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO』は、いちおう録画していたのですよ。時間が取れたら観ようという録り貯めですね。
 んが、途中の何話か失敗してしまっており、観る気が失せてしまいました。で、消しちゃいました。HDD がギリギリだったからサー。

 消したとたん内容が気になりだすという、おバカ仕様の妖之佑。
 やむなく、実況板のまとめサイトで内容だけ確認しました。

 ふむ。
 だいたい判った。

 これは観ておきたかったかも。
 やはり動きと音声が付くことは大きい。
 て言うか、キャストの大半が新規なのに、なんでマダオだけ残留というか復帰?(笑)

 妖之佑はセガサターン版でしたけど、セーブやフラグというAVGの仕様をそのまま物語世界での並行とか分岐とかの概念としてストーリに積極的に取り込むというのは、ひょっとして先駆者なのかな? なにせ、たくやは一度は不幸を味わわないと、相手を助けるアイテムを入手できない鬼畜仕様ですからね。ゲームなら当然のバッドエンドからの真ルート解放も、登場人物の立場からすれば拷問でしかない。
 ゲームの分岐やリプレイを物語の中に取り込むのは、今では普通ですが。最近だと『シュタゲ』とか、古いですがドリキャスで出てた『インタールード』もかなり面白かった(理解が未だにできてないんですけどね、難しくて)。

 SS版『YU-NO』は、プレイ開始してさほど経たないまま早々にディスク1が終わって、ディスク2と3を何度も何度も行ったり来たり。で、次々と相手の死に直面して絶望して、みんなを死なせてから助けて、ようやく書斎の引き出しを開けるとディスク1に戻される(この2と3の往復中、いったい何度、吊された婆さんを見せつけられたことか……がぅ)。
 戻ってからのディスク1が……長かったー。今回のアニメでは話数的にたいしたことなさげですが、SS版では異世界編が、とにかく長かった(汗)。延々と黙々とストーリを追うだけ(某『ひぐらし』のような、まさにサウンドノベル状態)の長い長い時間の末に、鎖に繋がれたあいつを見たときの衝撃は、かなりのものでした。
 上手いなあ、というのは失礼でしょうか。
 なら、凄いなあ。

 アニメ独自の部分はと言うと……みんなで海水浴ですか。神奈にJKらしい楽しい思い出をという、これはスタッフの思いやりでしょうか。
 異世界で、あの二人が再登場(?)するのは余計だった気がします。特に、あいつのほう。奴はゲスで徹底してほしかったな。

 この作品の中で一番、面白いと言うか興味深いのはキャスターの朝倉です。
 彼女は展開によって、たくやの邪魔をしたり、協力してくれたり、強い味方になったかと思えば、別のルートでは、たくやをどん底に陥れる凶悪さ。
 しかし、朝倉本人は一切ブレていない。自分自身の「表はキャスター、裏は産業スパイ」という立場を、どのルートでもまったく変えていない。たくやの敵でも味方でも宗旨替えなんてしてないんですよ。
 これは、他人が環境や事情によって敵にも味方にもなりうるという冷酷な真理を判りやすく端的に描いていると思うのです。いや本当に朝倉の行動は面白いですよ。

 まったくの個人的わがままなんですけどね。
 SS版で、いつも学校ホールの掲示板に貼り付いてる男子生徒。たくやが求めると「TIPS」を教えてくれる役割なんですが(逆に断ると二度とまともな会話をしてくれなくなる)、こいつを何かの形で登場させてやってほしかったかなーと。
 彼もまた、たくや同様に並行世界を記憶を維持したまま行き来する存在ですからね。実は、かなりの重要人物だったはずなんですよ(爆)。