望、吉田の火祭り (旧暦 文月十六日、送り火、藪入り)

 大衆浴場がタトゥー禁止とするのを、脳科学者を自称する某氏が「言われなき差別」だと批判しているそうで。

 いや「言われ」あるでしょ、少なくとも日本国内では。
 タトゥーを日本語にすると「刺青」でしょうか。これには二種類あって、「入れ墨」と「彫り物」ね。
 で、彫り物は、クリカラモンモンで知られているような、まあ絵画的なもの。主に、そっち系の世界に身を置く人たちがやっていて、その意味は「カタギの世界には戻らない」決意表明だったり、同業者同士で強さを鼓舞するためのものだったり、あるいは素人衆に対する「俺に不用意に近づくな」という警告だったり。
 一方の入れ墨は、チョンマゲ時代に犯罪歴を刻むためのものでした。消せないわけですから、前科を確認するのが簡単という理屈。
 つまり、彫り物であれ入れ墨であれ、日本の刺青は基本的に「反社会」を意味します。だからこそ、大衆浴場で「刺青の人、お断り」になるわけで、これを「言われなき差別」と言うのは、あまりに情弱。

 さて、外国の人となると、たしかに事情が違うかもしれません。
 が、日本国内でのことは日本の事情に合わせるのが筋。これを国際化と称して解放する理由が判りませんね。
 例えば、イスラムのモスクに女性は入れません。戒律に厳格な国では、他国から来た報道陣の女性スタッフは全身黒ずくめでなければ外を歩けません。これを「言われなき差別」だと批判しましたか? 脳科学者さん?

 イスラムについては宗教的事情なので、他宗教の者が何を言っても、それは不当な干渉です。言うべきではない。
 そして、日本国内の社会事情を無視して「差別」扱いするのも不当な干渉であり、言うべきではないと思いますよ。

 ついでに言うけど。
 外国の人たちのタトゥーについての印象も、妖之佑個人としては「怖い」ですね。格闘家とかが全身に入れてたりするのは明らかに対戦相手を威嚇するためですし、他だとやっぱりグレた連中の文化って感じですから。
 遠山景元(金四郎)は、一説によるとグレていた頃の、いわゆる「若気の至り」で彫っちまったそうな。で、奉行になってからは必死に隠していたそうな。時代劇の「おうおうおうっ」ってアレは完全なフィクションですからね念のため。

 歌手のシンディ・ローパーさんはド派手な外見で有名ですが。
 意外にも、ご本人曰く「髪だけは、どんどんいじっていい。奇抜なカットをしようと脱色しようと、また生えてくるから元通りにできる」とのこと。つまり、元に戻せないような体のいじりかたをすべきではない、ということですね。