立冬、一の酉 (旧暦 神無月十二日)

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 『ULTRA Q』
 『ULTRAMAN
  Mill Creek Entertainment


 ウルトラシリーズの原点であり円谷プロの名作中の名作、そして日本の特撮界にとってのレジェンド。
 と言っても過言ではないと思います。
 その第一作目『ウルトラQ』と第二作目『ウルトラマン』の、それぞれ全話収録 Blu-ray です。もちろん北米版の輸入品。
 発売元は一昨年、『大魔神』と『ガメラ』の北米版BDの感想を書きましたあそこ、Mill Creek Entertainment という U.S.A. の会社。ちゃんと円谷プロのコピーライト表記と円谷のロゴもありますし、再生すると例によってFBIの警告文が最初に出てきますから正規品に違いなく。
 妖之佑が買ったのはスチール・ケース仕様&ブックレット付属の限定版のほうです。大映作品の頃と比べてケースも円盤のラベルも立派になってますね。
 ただ、このケースが……円盤を外し辛いったら(涙)。
 どう難しいかと言いますと。ケースを本のように見開きにすると両側に円盤があります。[◎|◎] な感じに。で、左右それぞれ円盤が複数重なっているわけなんですよ。『Q』は四枚組なので左右二枚ずつ、『マン』は六枚組で左右三枚ずつ。つまり下の円盤を見るためには上の円盤をまず外さないといけない。しかも、軸のロックが、とにかく固い固い。下手すると円盤が反ってしまい怖いです。
 輸送や保管など売る側の論理でコンパクトになるのでしょうが、ここは素直に容積に余裕のある箱物にしていただきたかったですね。
 再生できるかどうかのチェックをザッとしただけで、これから少しずつ楽しみたいと思ってます。ただ、チェックの際に『ウルトラマン』のダダの回とQ星の回が画像が荒い気がしました。かなり軽量化した Jpeg 画像みたいな感じのムラで。詰め込むためにガチに軽量化してる? まさかと思いたい。LDは、こんなじゃなかったと思うんだけどなぁ……まあ、じっくり観てからですね。
 この商品。『Q』の背表紙に「SERIES 1」、『マン』に「SERIES 2」とあり、さらに十二月には『セブン』発売という情報もあります。ひょっとするとウルトラシリーズあるいは円谷特撮作品を順次、どんどんリリースするのかもしれません。だとすると凄いことですよ。

 念のための補足。
 ↑は、あくまでも北米版であり北米での再生を前提にした商品なので、日本での再生について何ら保証はありません。リージョンAで、幸いに国コードによるロックがないので、妖之佑の DIGA で再生できました。が、できなくても文句を言えません。そこは予め知っておくべきことです。
 同じくリージョンAの北米版BDでもアニメは国コードがかかっているのが多いそうですね。なので、国設定できるプレーヤでないと再生不可。日本の大手家電メーカーのは、たぶん無理。PS3とPS4は視聴可だそうだけど、妖之佑は持ってませんので。あとはディスカウント店の怪しい外国製プレーヤかな。むしろ、パソコンのほうが、いけるのかも?

 レコード盤や音楽CD、さらにはアナログ映像ソフトに国境がない(映像は北米と欧州とで規格の違いがあるが、国別にロックする意図ではない)ことと対照的に、とにかくデジタル映像ソフトは地域縛りが厳しくて嫌になりますね。国ごとの経済事情に合わせて価格設定するためと言えば聞こえは良いですがね。それでも民生品に対して規制をかけるとか、まるで銃火器や薬物並みの扱いで失笑します。
 価格が桁違いなら、お求めやすいお値段のほうに消費者の視線が向くのは自然な流れじゃありませんかー。それをまるで犯罪みたく扱うなんて……。
 いえ。妖之佑は国内版に対して何も、新作まで輸入版並みに安くしろ、さもなくば輸入版を買わせろ、とまで思っているわけではありません。むしろ、新作を買うなら国内版にして少しでも現場に還元されるようにしたいと考えています。
 ただねー。二十年、三十年、ましてや半世紀も昔の作品群は、版元がすでに利益を回収済みのはずです。それを、いつまでも高い価格で売り続けるのは、どうなんだろう? 例えば、再リリースする際に「リマスタリング」などを言い訳に高値を維持する下手すると値上げする、とかいうのは高慢ちきな態度だとすら思います。例の『総天然色ウルトラQ』もね、要らぬ色付けして高値で売ろうなんて、余計なことするなっ、ですよ。
 ここは大胆な価格破壊をして過去の名作群を普及させていただきたい。そのほうが長く見れば利益につながるんじゃないでしょうか? 損して得取れ。ってね。
 実感として国内版BDもLD時代に比べれば価格がこなれてきているとは思います。ですが、北米版の値段を見ちまうとねぇ……。(;^_^A

 なお。
 巷に「ウルトラマンシリーズ」という呼称を用いて『Q』をカウントしない風潮がありますが、実に不愉快であり、ぶっちゃけ「バカヤロウ」と思います。
『Q』がなかったら『マン』などない。と言うか、『マン』は『Q』の続編(時系列的に、ちゃんと繋がっている)なのですから、そこを理解しないまま偉ぶった発言する層には本当に困ったものだと。
 その点、シリーズ第一弾として、ちゃんと『Q』をリリースしてくれた Mill Creek Entertainment さんは、よく判ってらっしゃる♪ 偉い人が日本の特撮ファンだったりするのかな?(笑)