(旧暦 葉月十二日)

 なんでも、今月いっぱいで『東京ブギーナイト』はTBSとラジオ関西以外でのラジオ放送を打ち切り、インターネット配信に切り替えるとのこと。
 つい先日、ミス・モノクローム……もとい、ほっちゃんの『天使のたまご』が文化放送以外すべて打ち切り(※)という告知を出してきたばかりで、これはきつい連打を喰らいました(いやまあ、ぶっちゃけ『天たま』は、どーでもいいのですが……ごにょごにょ)
 この二つの番組の動向から見えてくるのは「地方ネット局をすべて切り捨てる」という首都圏の露骨な姿勢です。
 こうなると、今のところ告知の気配はないものの、上坂軍団長やヘッド奈々の番組も危ないかもしれません。
 林原閣下は「ネット配信で聴けるようになるのだから、雑音リスナーが減って、むしろリスナーの環境としては改善」という大人なコメントをなさっていましたが、はたして本当にそうでしょうか?
 素人工作の手作りラジオや百円店ラジオ(今は売られてないそうですが)でも聴ける「放送」と、回線契約しているスマホやPCなどそれなりに経費のかかる環境でしか聴けない「配信」とを一緒に語られても困ります。
 目先の銭しか見えておらず自社の製品を文化として捉えられていない、というのを昨今の日本の製造業にずっと感じてきたのですが。どうも、放送局も放送業務が文化であることを忘れてしまっているように思えます。だって、地方放送の打ち切りって、要は経費削減でしょ? ネット配信のほうが安上がりだからでしょ? つまり、お金優先の後ろ向きな態度なんですよ。
 ラジオ局がラジオ電波のルートを自ら放棄するなんて、洒落にもなりません。キングとキー局は自分が首都にあるからと緩慢になりすぎていませんか?
 て言うか、アニラジってけっこうファンが多いと思うのですが、全国規模の番組を流せなくなる地方局は、今後どうすりゃいいんでしょうね。

 何度も言っていることですが。
 十年、二十年先を読まず周囲も見えず、今日の稼ぎ・自分の稼ぎしか頭になく、目先の銭を拾うばかりの者は最後には破綻します。バブルのときの成金たちがそうであったようにね。
 俗語としての「リストラ」とは企業の自殺行為に他なりません。

 いや、地方局を切り捨てて Web配信にするのが前向きなことだとは、攻めの姿勢だとは、どうしても思えないんですよ。守りに入っているとしか思えないんですよ。


※ ネット局の中でラジオ福島北陸放送は放送継続だそうです。たいへん失礼いたしました。