下弦、三隣亡 (旧暦 卯月廿三日)

 あれ?
 そう言えば、なんで運転手さんの目には巨大化した娘さんが映らなかったんだろう? ノーマルなサイズで見えてたんだろう?

 いちおうまだ、合理的説明で何とかなる説を放棄してませんからね。

 なにげに、あの集団をコントロールしてるのが、こはるんなんですよね。
 まあ、魔女裁判こそ、運転手さんの機転(?)がなかったらヤバかったですが。
 それでも、こはるん黒幕説も、いまだ健在だと思うのです。

 それにしてもですよ。
 他人とのしがらみが嫌で何もかも捨てたいと思う者が、見ず知らず初対面の他人たちと共同生活をって方向に進むのが、そもそものまちがいですね。その点については、睡眠不足でだいぶ目つきが悪化してきたヴァルカナの言うとおり。
 社会が嫌になったのなら、独り深山に入って行者か仙人みたく暮らせばいい。あるいは無人島に渡ればいい。要するに世捨て人。まー、実際にそんなことやったら、たいがい死ぬだろうけどねー、病気か飢えで。
 ツアー参加者たちに同情できる面はあるものの、自業自得な箇所もあるわけで。例えば美影などは、発注の日付を誤るという基本的な凡ミス。ありゃ笑われるもやむなしですよ。なのに世の中のせいにしてる時点で絶賛こまったちゃん全開中。見込み捜査で決めつけてるあたり、過去の失敗体験をまったく生かせてない。ダメだこりゃ。
 といった輩が多いのだから、運転手さんならずとも説教したくなるってもんです。バカばーっか。

 さてさて。
 真咲の話は本当なんでしょうか。
 こいつも、実のところ依然として怪しいんですよね〜。

 って……ケツくんっ!?





 訓練を受けたエリート軍人ですら苦戦する敵勢力の中を平然と単身自由行動しても全然無事な美雲さんが怪しすぎます。そもそもが、いつもいつも神出鬼没ですし。何ですかこの人。
 レイと初めて出会った頃の熱気バサラ並みに謎の人物だと思えてきました。