(旧暦 師走廿五日)

 相も変わらず私のアンテナ低すぎるというお話。



 書店にて。
 例の『Gun Professionals』(以下『Gプロ』)を見たところ、その近くに似たよーな表紙があり。

 なんじゃこりゃ? と、よーく見てみれば。
『Gun Magazine』(以下『Gマガ』)と。

「Gun」を名乗る雑誌が二つ?
 しかも両者とも、休刊となった『月刊Gun』(以下『G』)を意識した表紙デザインと構成。

 どうなっとんの?

『G』休刊を受け、そのコンセプトの継続(あるいは実質的継承?)を目的にしたものがホビージャパンから創刊された『Gプロ』。
 執筆陣に『G』からそのまま鞍替えしたかたが多いので記事内容的には『G』の非公認後継者と言える。

 一方の『Gマガ』は、発行が「ユニバーサル出版」という聞き慣れない会社。聞き慣れないものの、どこかで聞いたような名前でもある。
 ちなみに『G』を出していたのは「国際出版」……似ている。

 聞くところによりますと、経営者の愚行によって潰れてしまった国際出版の社員のかたがたが再結集したのがユニバーサル出版のようですね。
 となりますと、出版側の立場では『Gマガ』こそが『G』の正当後継者と言えるのか。
 つーか、巻末の読者投稿コーナーが「Gun子新聞」って……まんまやん(笑)。

 ああ、ややこしい。

 古い話。
 あの角川書店お家騒動の折、月刊漫画雑誌の『コンプ』から大量の編集者が離脱、それに追随した執筆陣が原稿を引き揚げ、ともに新たな出版社の雑誌『GAO』に移った出来事がありました。有名タイトルだと『サイレントメビウス』などですね。ちなみに、『宇宙英雄物語』は、この騒動が原因で作者さんのモチベーションが維持できなかったため未完のまま終わってしまいました。
 一方、レギュラー陣に逃げられスカスカになった『コンプ』は大量の新人漫画家を入れての継続ながら内容的には、まったくの別物……と言うか未熟な代物になっていたという。

 二つの「Gun」は、この騒動と、どこか似ています。
『G』大半の執筆陣が移動した『Gプロ』が『GAO』に似た立場なのは言うまでもありません。
 ただ、『Gマガ』が『コンプ』並みにスカスカなのかどうかは判りません。実は中身を詳細には読んでいないので(汗)。
 ともかく、二つの「Gun」が需要を喰い合うような事態になると共倒れとなりかねませんから、そこだけが心配ですね。かつての『コンプ』と『GAO』が最終的に適当なところで『エース』へと合流したように、いずれ穏便に合流できるといいのですが。
 もちろん理想的には『Gプロ』『Gマガ』両者が良きライバルとなって共に発展してくれるのがベストではあるのです。
 が、さすがにそれは厳しいかと。「Gun」を名乗る以上は硬派でないと。つまりそれは某『*ンバッ*マ*ジン』みたく軟派路線で読者に媚び売る内容ではダメ。よって営業的には苦しいはずですから。

『Gマガ』の動きがもう少し早かったら、『G』執筆陣がホビージャパンに流れることもなかったのかもしれませんね。それだったら理想的後継誌の誕生となったものを……そこは少し残念かもです。

 とにもかくにも。
 逆境に負けず再生を果たした人々の努力には敬意を表します。
 二つの「Gun」誌に幸あらんことを。

『Gun Professionlas』

『Gun Magazine』